コラム

『スーホの白い馬』は悲し過ぎる 日本の子供たちに勇気と冒険の物語を

2020年10月14日(水)17時10分
李 娜兀(リ・ナオル)

最近、ディズニー公式動画配信サービスで中国古代の女性兵士を描いた映画『ムーラン』の実写版が公開された。中国の人権問題に関連した批判も出ているようだが、物語の主題そのものは女性の活躍だ。中国の子供たちはこの物語に小さい頃から親しんでおり、中学校ではムーランに関する詩を暗唱するそうだ。

「日本の教科書でも、もっと勇気や希望にあふれたロールモデルになるようなヒーロー、ヒロインを登場させればいいのに」と言うと、夫は「日本の子供は勇気や友情、冒険は漫画で学ぶからいいんだよ」と言い返す。確かに娘たちも大好きな『ドラえもん』や『名探偵コナン』など、冒険や勇気を描いたアニメは多い。しかし、ロールモデルとはちょっと違う。

言うまでもなく今の日本の子供たちが立ち向かわなければいけない課題は少子高齢化、地球温暖化、今回の新型コロナウイルスのような感染症を含め、多様で複雑だ。名作は名作でそのまま載せるとして、もう少しあらゆる困難に勇気と粘り強さで立ち向かい、勝利する人たちの物語を増やしてもいいのではないか、と感じている。

<本誌2020年10月13日号掲載>

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