最新記事

仮想通貨

2017年は中流でもビットコインを買える最後の年になる!?

2017年12月5日(火)19時09分
ジョージ・タン

年末には1万5000ドル──業界からは超強気の予測が聞かれるビットコイン Dado Ruvic-REUTERS

<1万ドルを突破したビットコインの価格は、来年末は15万ドルもありえると、ビットコイン・アナリストの筆者は言う>

ビットコインのリサーチをしている関係上、筆者はよく一般の人に仮想通貨について何か知っているか聞いてみる。答えのほとんどは「知らない」か「犯罪取引に使う通貨でしょう?」のいずれかだった。だがそれも昨年までだ。今年は大きな変化が起きている。逆に質問される機会が増えた。「ビットコインはどうやって買うのか」「どこまで値上がりすると思うか」など。11月の末にビットコインの価格が初めて1万ドルを突破して、一般の人々も放っておけなくなったのだろう。

主流メディアもビットコインに注目し始めた。ビットコインが1万ドルの大台に乗ったという記事アクセス数が、北朝鮮が核兵器で米本土を攻撃するかもしれないという記事のアクセス数を上回ったのを見たときには思わず笑ってしまった。

ビットコインにとって2017年は最高の年だった。具体的に見てみよう。

2017年に入って価格が1000%上昇

ビットコインの価格は年初に963ドルだったが、11カ月で1000%も値上がりした。年初に1000ドルで購入したビットコインが1万ドルになったのだ。価格がここまで急騰したのは、仮想通貨全体に流れるカネの量が急増したからだ。

ビットコインを含むすべての仮想通貨の時価総額は、2017年初めの時点で180億ドル足らずだった。それが今は3000億ドルに膨れ上がり、ビットコインがその半分以上を占める。つまり2017年だけで、ビットコインを含む仮想通貨に2820億ドルが投資されたことになる。2820億ドルといえば、米ウォルト・ディズニーと動画配信大手ネットフリックスを両方買ってもまだ余る。仮想通貨全体の時価総額は、米銀大手シティバンクを回り、電気自動車のテスラの5倍以上だ。

それでも、世界有数のIT企業と比べれば、まだ足元にも及ばない。1兆ドル以上の時価総額を持つ世界の16の株式市場にも遠く及ばない。だが2018年にビットコインの価格がさらに1000%上昇すれば、状況は一変するはずだ。以下で理由を説明しよう。

仮想通貨の需要は急増中

サンフランシスコを拠点に世界最大の仮想通貨取引所を運営する米コインベースの口座数はすでに1200万人を超え、推定で1日に5~10万ずつ増え続けている。2018年に入れば、さらに増える見込みだ。

ニューヨークにある米仮想通貨取引所ジェミニでも、毎日数万単位で口座数が増えている。ジェミニを立ち上げたのは、フェイスブックのビジネスアイデアを盗まれたとして同社のマーク・ザッカーバーグCEOと法廷で争ったことで知られる双子のウィンクルボス兄弟だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

神田財務官、介入の有無にコメントせず 「24時間3

ワールド

タイ内閣改造、財務相に前証取会長 外相は辞任

ワールド

中国主席、仏・セルビア・ハンガリー訪問へ 5年ぶり

ビジネス

米エリオット、住友商事に数百億円規模の出資=BBG
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中