最新記事

仮想通貨

2017年は中流でもビットコインを買える最後の年になる!?

2017年12月5日(火)19時09分
ジョージ・タン

米モバイル決済サービスのスクエアは11月、同社のアプリ「スクエア・キャッシュ」のベータ版として、一部ユーザーがビットコインを購入できるようにした。米決済サービス大手のペイパルがもうすぐ決済手段にビットコインを追加するという噂だ。

これら消費者向けサービスに導入されるようになれば、ビットコインはさらに身近な決済手段となり、使い勝手もよくなる。ただし2018年のビットコイン市場の成長を促す本当の原動力は、今ビットコインの先物取引や上場投資信託(ETF)に流れ込んでいる数十億ドルという投資マネーだ。

アメリカの2つの先物取引所は、今年中に、ビットコイン取引を開始する。米シカゴ・オプション取引所(CBOE)は12月10日から、CMEグループは12月18日からの予定だ。どちらがビットコイン先物取引の最大シェアを獲得するかで鎬を削ることになるだろう。しかも準備を進めるのはこの2社だけではない。ナスダック(米店頭市場)も2018年前半にビットコインの先物を上場する方針だ。

ビットコインの先物は巨額の取引

コインベースのような仮想通貨取引所のおかげでビットコインの売買はかなり楽になったが、実際には、現物の取引には多くの規制がついて回る。だが先物取引が始まれば、実際に現物を買ったり注意深く保管したりしなくても、機関投資家(要はヘッジファンド)がビットコイン市場に数十億の資金を投入できるようになる。

先物取引だけではない。ProShare、VanEck、ウィンクルボス兄弟のジェミニなどは皆、ビットコインのETFの販売を始めようと手ぐすねを引いている。3社は2017年、再三ビットコインのETFの認可申請を行ったが、投資家保護が不十分として米証券取引委員会(SEC)に拒否された。だが今後先物取引が開始されれば、SECもビットコインのETFを認可せざるを得なくなると、投資専門家は予想する。今の流れでいけば、ビットコインのETFは2018年前半にも実現可能だ。

ビットコインは発行数に上限がある

ビットコインの先物取引とETF取引が始まれば、従来はビットコインに否定的だった人々も、ビットコインは本物の価値があるデジタル通貨だと認めざるを得なくなるだろう。そして2018年も、ビットコインの価格が上昇するのは間違いない。この値上がりはバブルだと言う世界の中央銀行や主流メディアの意見が正しかったのかどうか、そのときにわかるだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中