最新記事

キャリアアップ特集

オンライン英会話のレアジョブが進める、従来型スクールとのサービス融合

2017年3月29日(水)18時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

外国人ファシリテーターによるトレーニングワークショップ(写真提供:レアジョブ)

<英語を学ぶ手段として人気が定着したオンライン英会話。従来型の通学制スクールのサービスと融合する動きが活発化している>

ビジネスシーンで求めらる英語力が多様化するなか、空前の英会話ブームの兆しが見えている。その一翼を担っているのがオンライン英会話だ。金額の安さや利便性だけが注目されがちだが、新たに通学制の英会話スクールの利点を取り入れることで、新しい英会話学習のスタイルが生み出されつつある。

画期的な料金体系で市場を拡大

インターネットの普及によって誕生したオンライン英会話。スカイプなどの無料オンライン通話ツールで世界各地にいる英語講師と生徒を繋ぎ、マンツーマンの英会話レッスンを受けることを可能にしたものだ。最大の特徴は、価格の安さとレッスンを受ける場所や時間に融通が利く利便性だろう。日本では2000年頃から登場し、利用する受講者数は右肩上がりに増えている。

このうち2007年に設立されたレアジョブはオンライン英会話の最大手。創業者の加藤智久氏と中村岳氏が、スカイプを利用したビジネスを考えていたときに、英語を公用語とするフィリピンの人を講師とした英会話レッスンというサービスの構想を思いついた。

実際にフィリピンを訪れると、最高学府である国立フィリピン大学を卒業した人たちでさえ就職するのが困難な雇用問題があり、優秀な彼らを講師にすることで、質の高いレッスンを提供できると確信したという。現在、50万人以上の個人顧客を抱え、1000社以上の企業への導入実績がある。

【参考記事】最新ビジネス英会話に求められる、ロジカルスピーキングと「おもてなし」

レアジョブが画期的だったのは、新しい料金体系を取り入れたことだ。設立された2007年は旧NOVAが経営破綻した年。レッスンを受ける度にチケットを購入したり、半年分の料金を一括して払ったりすることに消費者が抵抗を感じていたことを受け、月額制を取り入れた。

「25分を1レッスンとし、毎日1レッスンを受ける毎日25分プランをはじめ、4つの料金プランを用意」と、レアジョブ広報の荒川佳織氏が説明する。毎日25分プランの料金は月額で5800円(税別)で、1レッスンあたり200円未満。これは一般的な英会話スクールと比べると20分の1ほどの金額だという。

前述の通り講師の質も高い。講師の登録数は約4000人で、このうち約4割が国立フィリピン大学の卒業生か、または現役の学生。自分に合った講師を、さまざまな条件から選ぶことができるのは大きな魅力だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3

ビジネス

米雇用なお堅調、景気過熱していないとの確信増す可能

ビジネス

債券・株式に資金流入、暗号資産は6億ドル流出=Bo

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇用者数
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 5

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 6

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中