最新記事

ベジタリアンの切なる願い「感謝祭には『七面鳥もどき』を!」

2019年11月28日(木)16時24分

今週28日の米感謝祭で、ベジタリアン(菜食主義者)やペスクタリアン(魚介類も食べる菜食主義者)、フレクシタリアン(場合によっては肉類も食べる菜食主義者)がそろって「食卓にあれば感謝したい」ものがある。写真はニュージャージー州フランダースの農場で飼育される七面鳥。13日撮影(2019年 ロイター/Eduardo Munoz)

今週28日の米感謝祭で、ベジタリアン(菜食主義者)やペスクタリアン(魚介類も食べる菜食主義者)、フレクシタリアン(場合によっては肉類も食べる菜食主義者)がそろって「食卓にあれば感謝したい」ものがある。植物由来のおいしい「七面鳥もどき」だ。

味わいと食感で大人気の「インポッシブル・バーガー」や「ビヨンド・バーガー」など植物由来の食品は人工肉市場に大変革をもたらし、今や米国の食肉市場の約5%を占めている。

だが、感謝祭料理の定番である七面鳥はというと、そこまで買い物客の心を躍らせ、受け入れられている人工肉は、まだ存在しない。

「来年の感謝祭までに『インポッシブル・ターキー』ができないかしら」と話すのは、ニューヨーク州北部で2人の子供を育てるベジタリアンの専業主婦、コーディア・ポップさん(42歳)。今市場に出回っている最も本格的な七面鳥の人工肉は「本物の七面鳥のようにきれいに裂けない」という。

25年前、豆腐を七面鳥のように加工した「トーファーキー」が市場に登場し、現在は感謝祭シーズンに40万個が販売されている。だが、多くのベジタリアンは、牛肉版のように、七面鳥そっくりの風味と食感を再現する植物由来製品はまだ、手に入らないと話す。

人工肉を製造・販売するビヨンド・ミートは、顧客に既存の牛肉・ソーセージもどき製品を使って感謝祭用の料理を作って下さいと呼びかけている。一方で同業のインポッシブル・フーズはロイターに、七面鳥の人工肉開発は、長期的な目標の1つだと説明した。

真っ先にゴールを切るのは、七面鳥肉生産業者の大手、バターボール、パーデュー・ファームズ、ターソン・フーズのどれかかもしれない。フレクシタリアンの米国人が増える中、各社とも菜食主義者向けの商品開発を進めているという。

タイソン・フーズの広報担当者は「今後、感謝祭向けにタンパク質製品の品ぞろえが増えても驚かないでください。当社はあらゆる種類のタンパク質製品を検討している。現時点で本格展開の日程は、お教えできない」と語った。

パーデュー・ファームズの広報担当ビル・シー氏は「計画中の商品はあるが、お話しするのは時期尚早だ」とした。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国勢、ロンドン不動産投資が8年ぶり高水準 ドル高

ワールド

アングル:民間機に重大な影響及ぼすGPS妨害、世界

ワールド

台湾、次期総統就任後の中国軍事演習を警戒 治安当局

ワールド

中国、大気汚染改善目標が半数の都市で未達 経済優先
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 8

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 9

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 10

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中