最新記事

中国社会

北京の幼稚園で児童にセクハラ? 成分不明の薬投与や針で刺すなど虐待も

2017年11月28日(火)11時35分


特別調査

中国教育部は23日、同園運営に対する特別調査に着手。全土の教育当局に、「こうした事例を警告ととらえるよう」指示した。

これまでも中国では、子どもたちが叩かれたり、棒で殴られたり、口を粘着テープで閉じられたりする事件がオンラインで拡散され、市民の怒りを呼んでいた。

今回の事件についても、ソーシャルメディア上では、大きな怒りの渦が巻き起こっており、テンセント・ホールディングス<0700.HK>のチャットアプリ「ウィーチャット(微信)」では、「RYBエデュケーション」が23日だけで7600万回もつぶやかれた。

「これらの事件は個別の案件かも知れないが、それが映し出すより深い問題を見過ごしてはならない。そのための法律を執行し、監督を強化し、教師の給料を上げる必要がある。保育産業が、非文明的な形で成長することは許されない」と、新華社は論評した。

成長分野

中国の教育事業者は大きな投資を呼び込んでおり、一部の企業はグローバル市場に上場するなど、より高度な教育サービスを求めて急拡大する親世代からの需要の追い風を受けている。

24日の急落前には、RYBエデュケーション株はニューヨーク市場に9月上場して以来44%上昇しており、時価総額は一時約7億6600万ドル(約854億円)に達していた。

RYBエデュケーションが手掛ける教育施設で児童虐待疑惑が表面化したのは今回が初めてではない。

吉林省の裁判所は2015年、四平市にあるRYBエデュケーションが運営する幼稚園の1つで児童を身体的に虐待したとして教師2人に有罪判決を言い渡した。判決によると、この幼稚園では、スタッフが「複数回にわたり、針や脅しの手法を使い、担当する子どもたちの多くを虐待」していたという。

RYBエデュケーションは今年初めも、教師が子どもたちを叩いたり押したりしている映像が表面化。北京で同社が運営する別の幼稚園で「深刻な過ち」が発覚したとして、園長に辞任を求めていた。



1205-thumb-240xauto.jpg【本誌12/5号】特集:セクハラは#MeTooで滅ぶのか

ハリウッド発のセクハラ告発が世界に拡大中── なぜ男性は女性に対する性的虐待をやめられない?

米社会 「男の妄想」への大反撃が始まった
日本社会 #MeTooは日本にも広がるか
リスト 告発された男たち...
波紋 世界ではどんな#MeTooが?
インタビュー 男が女を辱めて満足感を得る理由
調査 若者の意識も改善の余地あり
メディア GQの表紙では女性だけがおへそを出す
詳しくはこちら=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トムソン・ロイター、第1四半期は予想上回る増収 A

ワールド

韓国、在外公館のテロ警戒レベル引き上げ 北朝鮮が攻

ビジネス

香港GDP、第1四半期は+2.7% 金融引き締め長

ビジネス

豪2位の年金基金、発電用石炭投資を縮小へ ネットゼ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中