最新記事

経営

営業がつらい理由「ノルマ」が36.3% これからは「ノルマ=KGI」の時代へ

2023年8月8日(火)18時00分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載
営業

gyro-iStock.

<営業スタッフにとって、ノルマは時に厳しいプレッシャーになる。だが最近は、その捉え方が変わりつつある。適切な目標設定と評価方法とは?>

あなたの会社では"ノルマ"という言葉を日常的に使っていますか? 営業ノルマ(以下、ノルマ)は営業スタッフにとって頭を悩ませる課題であり、時には厳しいプレッシャーとなります。

 
 
 
 
 

とくに最近、ノルマという目標設定の考え方は合わなくなりつつあります。数値目標設定がKGI(重要目標達成指標、企業の目指す最終的な定量目標)として浸透しつつある現代において、「ノルマ=KGI」として捉える方がフィットし、KGIを達成する重要業績評価指標であるKPI、それを支える重要成功要因のKSFを明確にする方が重要なのではないでしょうか。

そこで、今回は現代における営業スタッフの適切な目標の設定方法について解説します。

営業がつらい理由「ノルマ」が36.3%

日本労働調査組合が2021年6月に発表した「営業職の退職動機に関するアンケート」調査結果によると「営業職をしていて辛かったこと」という質問に「ノルマ」と回答した営業職が最も多く、実に36.3%の営業職がノルマをつらく感じていることがわかりました。

これは2位の「お客様の理不尽さ」「クレーム対応」の8.8%を大幅に引き離して圧倒的な1位であり、営業職の間でノルマがどれだけ負担になっているかが明確に表れています。

【参考】【日労公式】「営業辞めたい」6割弱という結果に。営業職500名へのアンケート調査/日本労働調査組合

■そもそも「ノルマ」の定義とは

現代において、営業スタッフの目標を"ノルマ"という言葉で表現することに違和感を持つ方も多いかもしれません。Oxford Languages監修のGoogle日本語辞書によると、"個人や工場に割り当てられた,一定時間内・期間内になすべき生産責任量。第二次大戦後,シベリア抑留者が日本に伝えた語。転じて,各自に課せられた仕事などの量"とされています。

つまり、ノルマとは"義務"であり、それによって評価されるものではないという考え方が根本のようです。変数の多い現在では古典的なノルマ設定が難しいこと、トップダウンだけではない目標設定や成果に基づく評価制度を採用している企業が増えていることなどが、違和感の正体ではないでしょうか。

現代において、営業スタッフの目標は、ノルマではない別の指標で考えていくべきなのです。

(参考記事)トップセールス依存から脱却!営業プロセスを標準化するには?

適切な目標設定・運用法とは

では、どのような営業スタッフの目標を設定すればよいのでしょうか。以下、3つのステップから考えてみましょう。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中