最新記事

日本社会

東京コロナショック最前線 「立ち食いそば」、品川と五反田の売上回復の差はなぜ?

2020年8月4日(火)11時45分
本橋 隆司(フリー編集者・ライター) *東洋経済オンラインからの転載

池田:うちは朝の5時から11時は前年同月比でも95%は確保していました。この時間帯に来るお客様は、完全に固定客。みなさん、働いていますし、この時間帯は混むわけでもないですから。さほどの影響はなかったですね。郊外はファミリー客が離れたのか土日が鈍かったんですが、だんだんと戻ってきていますね。

リモートワークも内容が変わってくる

reuters__20200803151906.jpg

コロナの影響が出た日ははっきりとわかった、と話す池田社長(撮影:梅谷秀司)

都心の駅前立地を中心に店舗展開をしてきた富士そば。近年、郊外のロードサイドへの出店を進めてきたゆで太郎。コロナ禍でのリモートワーク普及などで人の動きが変わり、その明暗は、はっきり分かれてしまったようだ。

:ただ、今後、リモートワークがフルリモートになる会社っていうのは、少ないと思うんですよ。週に1、2回は出社したり、家では仕事がしづらいから、カフェやカラオケボックスで仕事をするという人が多くなるでしょう。リモートワークのあり方みたいなのは、これからできてくると思うんです。それこそ、漫画喫茶みたいな、個室のワークスペースが増えてくるとか。

池田:私もそう思います。たとえば、千葉や埼玉の大宮あたりに、20坪ぐらいのオフィスを借りて、5人ぐらいでシェアするとか、ビジネスホテルがリモートワークパックを始めたりとか、ありそうな気がしますね。

:リモートでミーティングするのも、カフェでは無理ですからね。家に近いところで仕事して、終わったら家に帰る、というやり方が増えていくと思います。それもあって、今後の出店はこれまでの東京の中心部から、範囲を広げて物件を探していく形になっていくのかなと考えていますね。ただ、それでもうちは人のトラフィック重視なので、ゆで太郎さんのように郊外のロードサイドに出ていくことは考えていませんね。そうなると、今までとは違う業態になってしまうので。

池田:リモートワークで人口が都心から周辺に移ったとしても、それほど地方まではいかないでしょう。東京に通勤していたエリア、千葉、埼玉、神奈川あたりまで。道路で言えば国道16号線の内側ですね。

:中心の人口が少なくなって、それがだんだん周辺に広がった、というイメージですね。今では住宅地寄りの駅前物件をリサーチすることが増えましたし、そういうところで数字の合う物件を、探していくイメージです。時代背景が大きく変わったタイミングなので、これまでの方針は変えなければならないでしょう。今までのように渋谷の周りを歩いて物件を探していても、しょうがない、というか。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、20万8000件と横ばい 4月

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中