コラム

日本から世界へ 環境スローガン「もったいない」の次は「EIMY」

2021年11月04日(木)17時05分
トニー・ラズロ

2011年に東日本大震災が発生したことでさらにこの潮流に火が付き、長野県、岩手県、宮城県、福島県などで部分的に実施されてきた。このようなシステムが構築されていれば、いざ大規模災害の際、遠方からのライフラインが断たれても、ある程度のエネルギーを確保できるという利点もある。

名前もキャッチー。EIMYは「energy in my yard(私の庭からエネルギーを)」の略だ。

今のところ海外ではあまり知られていないようだが、このネーミングなら違和感なく理解され、受け入れられそう。他国のみんなはまだ知らないだけ。

パリ協定では、世界の平均気温上昇をできれば産業革命前の1.5度に抑えるという目標を掲げている。この目標達成に向けた多くの国の動きは鈍いが、日本はかなり成果を上げているらしい。

少なくとも米気候問題担当大統領特使のジョン・ケリーは第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けた発言でそう評価している。

「もったいない」の次は「EIMY」を世界に広めよう。称賛してもらえるなら、それに越したことはない。

でも、トゥーンベリのような鋭舌活動家が「EIMY、うんたらかんたら」と言ってからかってきても、喜ぼう。厄介なのは日本バッシングよりも「日本パッシング(素通り)」だから。

NW_Tony_Laszlo.jpgトニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

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