「女子東大生」が少ない本当の理由は何か?
アメリカの入試方式も高校時代の成績を重く見る。一発勝負の試験だけでなく、高校時代の地道な努力の結果をより反映させたほうが、多様な学生がトップ大学に入りやすくなり、ひいては女性比率の向上にも貢献する、という因果関係に不思議はない。ソウル大学では随時入試で合格した学生のほうが、入学後の成績も良いという研究もある。
東大にも学校推薦型選抜があり、やはり女性の合格者比率は4割を超える。しかし、その合格者数は約3000人の総定員に対して男女計でも約90人、3%に満たない。結論は教育専門家の判断に任せたいが、もしも入試方式と女性比率に因果関係があるのであれば、「2割の壁」は女子学生のモチベーションや社会全体の認識の問題ではなく、ただ増やす決断をしていないことによる「壁」だったということになる。
このままでは東大学部生の女性比率が、いつかトレバー・ノアの風刺番組で取り上げられないかと心配だ。
李 娜兀
NAOHL LEE
国際交流コーディネーター・通訳。ソウル生まれ。幼少期をアメリカで過ごす。韓国外国語大学卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得(政治学専攻)。大学で国際交流に携わる。2人の子供の母。
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