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女王葬儀

バイデン大統領が女王葬儀で「スタンド席」に座らされたと怒る米保守派

Why Biden Was Seated Far Behind Other World Leaders at Queen's Funeral

2022年9月21日(水)16時08分
ライアン・スミス

海外王室ブロックの前から6列目に着席した天皇皇后両陛下(9月19日、エリザベス女王の葬儀が行われたウェストミンスター寺院で)Gareth Fuller/REUTERS

<エリザベス女王の葬儀でバイデンの席が14列目で、ポーランドのドゥダ大統領の後ろだったことに、トランプや保守派は文句タラタラだが>

ジョー・バイデン大統領は9月19日にロンドンのウェストミンスター寺院で行われたエリザベス二世の葬儀に参列したが、今になって、バイデンが最前列から遠く離れた席に着席させられたことが話題になっている。

寺院内には約2200人が集い、そのうち約500人が各国の国家元首や要人の招待客だった。バイデンはファーストレディのジルを伴って参列した。

威厳に満ちた式典におけるバイデン夫妻の席は前から14列目で、ポーランドのアンドレイ・ドゥダ大統領の真後ろで、チェコのペトル・フィアラ首相の前だった。ファーストレディの左隣には、スイスのイグナツィオ・カシス大統領が座った。

2020年11月の大統領選でバイデンに敗れたドナルド・トランプ前大統領は、この光景を利用してアメリカの現職大統領を一喝した。

トランプは独自に立ち上げたSNS「Truth Social」で葬儀の参列者の写真を公開し、バイデンが座った位置を強調するとともに、自分が大統領だったら、もっと目立つ席に案内されていただろうとほのめかした。

「第三世界の席」とトランプ

「これが、わずか2年の間にアメリカに起きたことだ。敬意がない!」と、トランプは書いた。「しかし、大統領が第三世界の指導者たちと知り合うには良い機会だ。もし私が大統領だったら、彼らは私をあそこに座らせなかっただろうし、私たちの国は今とはまったく違っていたはずだ!」

保守派の論客メーガン・マケインもツイッターで、目立たないバイデンの席に疑問を呈した。

「なぜ大統領とファーストレディが女王の葬儀で、遠く離れたスタンド席のような場所にいたのか、ちょっと不思議だ」

マケインのツイートには嘲笑が殺到した。多くのツイッターユーザーはバイデンの席順は外交儀礼に従ったものにすぎないと説明している。

英紙テレグラフによると、葬儀の時点でアメリカの指導者が誰であろうと、前列から英王室のメンバー、過去と現在のイギリス首相、英連邦の指導者の順番で同じように着席する決まりだという。

女王の葬儀においては、英連邦の指導者が他の地域の指導者よりも上位に位置するという王室の慣習があるため、カナダのジャスティン・トルドー首相はバイデンより9列前に着席した。

同紙によると、イギリスの君主を国家元首に戴く英連邦王国の総督が先に着席し、その後ろに選挙で選ばれた英連邦の首脳が着席した。オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアといった国々の指導者だ。

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