最新記事

追悼

【追悼】オリビア・ニュートン=ジョン最後の闘い

Olivia Newton-John Remembered: Tributes Pour in for Movie, Music Icon

2022年8月9日(火)19時57分
マシュー・インペリ

2003年、東京のコンサートで。いつまでも若々しかった Kimimasa Mayama-REUTERS

<30年以上、乳がんと闘い続けたニュートン=ジョンは、大麻成分カナビスの治癒力を信じ、財団を作ってがん研究を支援していた>

歌手で女優のオリビア・ニュートン=ジョンが73歳で死去した。8月8日に家族が発表した。この訃報を受けて、多くのソーシャルメディアユーザーが、映画や音楽の世界で一世を風靡したニュートン=ジョンを悼む気持ちをネット上に投稿している。

夫のジョン・イースタリングは、オリビアのフェイスブックページにこう綴っている。「オリビア・ニュートン=ジョン(73歳)は本日午前中、南カリフォルニアにある自身の牧場で、家族や友人に囲まれ、安らかに亡くなった。この非常に困難な時期に、すべてのみなさんに対し、家族のプライバシーを尊重していただけるようお願いする」「オリビアは30年以上にわたり、乳がんと生きる姿を公表し、勝利と希望のシンボルになってきた。回復に向けた彼女の歩みや、先進的な植物成分を活用した療法の経験は、植物医療とがんについての研究を専門分野とするオリビア・ニュートン=ジョン財団基金において、これからも継続される」

さらに投稿で、イースタリングはこう続けている。「家族としては、献花の代わりに、オリビア・ニュートン=ジョン財団基金(ONJFoundationFund.org)への寄付という形で追悼の気持ちを示していだだけたらと希望している」

訃報が伝えられるとすぐに、ツイッターユーザーたちは、ジョン・トラボルタと共演した1978年公開の映画『グリース』で、サンディを演じた時の彼女の写真を投稿し、在りし日の姿をしのんだ。

【映像/画像】オリビアの歌、オリビアの写真

「がんは克服しつつある」と言っていた

ニュートン=ジョンは、1992年に最初に乳がんと診断され、ここ数年はがんの再発により闘病生活を送っていた。2018年には、オーストラリアのニュース・情報番組「サンデー・ナイト」で、中毒性はないが大麻成分を含むカナビスオイルを使用していることを明かし、さらにこう発言した。「私の夢は、オーストラリアで、すべてのがん患者、そして、がんをはじめとする痛みを伴う病気で苦しむ人たちに、早い時期にこれ(カナビスオイル)が提供されることです」

ピープル誌によると、ニュートン=ジョンは2020年に、自身のがんとの戦いについて、こう述べていたという。「うまく克服しつつあるというのが、私の見方です。正直言って、がんのことはあまり考えることもありません。がんの存在自体を認めないことは、本当に有効です。私はどんどん強く、良くなってきています。とても調子がいいです!」

オリビアの死因は明らかにされていない。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中