最新記事

ハリウッド

A・ボールドウィンに「弾は入っていない」と銃を渡した助監督は、以前から悪名高い人物

Asst. Director Who Gave Alec Baldwin 'Cold' Gun Has History of Unsafe Work Conditions: Prop Maker

2021年10月25日(月)18時48分
ファトマ・ハレド

ゴールは、火薬担当の責任者が撮影現場から救急搬送されたかつての事例にも触れた。この時ホールズは、火薬担当者の不在にも関わらず、撮影を再開しようとしたという。

ホールズはその時、撮影クルーに対して「ゴールが続行していいと言った」などと言っていたという。

実際にゴールが言ったのは、撮影再開は「炎や火花がセットからすべてなくなってからだ」ということだった。

ゴールはホールズについて「年上の愛想のいい第1(助監督)で、普通に個性が感じられる人」というのが第一印象だったと語る。だが「そうしたうわべの顔はすぐに消え去った」。

ゴールが最後にホールズと一緒に仕事をしたのは2019年のフールーのドラマ「イントゥ・ザ・ダーク」の撮影現場だった。この時、ホールズはセット内に武器があることをスタッフに知らせるのを怠ったという。

「撮影クルーが武器の存在に気づいた理由はただ1つ、小道具担当の助手がデーブに武器の存在を認めさせ、毎日の状況について報告するよう要求したから」だった。

安全性を懸念する現場の声にも耳を貸さず

「(助手は)銃が撮影で使われる日は、それがどんなものか――ゴムやプラスチック製の発砲できないレプリカなのか、弾丸を抜いて撃てなくしてある本物なのかについてクルーに知らせるとともに、その銃をセットに持ち込んで出演者に渡す前に誰でもチェックできるようにしていた」とゴールは述べた。

またこの助手は、俳優たちがセットから出る前に持たされた銃をきちんと返却するよう目を光らせていた。デーブに対しては「銃を返却していない俳優たちを現場から帰したり、安全に関する連絡を怠っている、としょっちゅう苦言を呈していた」という。

ゴールは別の現場の話として、セットが嵐に遭い電気コードが雨に濡れたり、ライトが泥に埋もれたりしている時にも、ホールズは撮影を再開したと報じられているという。

今回の誤射に関してゴールは「劣悪な状況や低予算に加え、製作幹部やかじ取り役として雇われたスタッフの経験や配慮の不足もあって起きた事故だ。もし彼らが十分な経験者で知識もあったとすれば、ひどい怠慢があったことになる」

警察によれば捜査は続行中で、これまでに起訴された人はいないという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中