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関税だけじゃない、EUを離脱したイギリスを待つ試練

2020年2月3日(月)18時05分
ウィレム・バイター(コロンビア大学客員教授)

EU諸国との間で人の移動の自由が失われることは、人的資源の供給に悪影響を及ぼし、経済の生産力に深刻な打撃を与える可能性が大きい。オーストラリアやカナダのように進歩的な移民政策を導入すれば問題は緩和できるが、目下の政治状況を見ればそれは難しいだろう。

昨年12月の総選挙で急進左派のジェレミー・コービン党首率いる労働党の政権奪取を許さなかったことで、イギリスは1つの混乱を回避した。しかし、難しい状況を抜け出したわけではない。

今後は、ブレグジットという悪手の悪影響を極力抑えるための厳しい交渉と政策実行の日々が待っている。しかも、おそらくそれが何年も続くことになるのだ。

©Project Syndicate

<2020年2月11日号掲載>

【参考記事】英EU離脱がもたらす「今後起きること」と「変わらないこと」
【参考記事】さらばイギリス EU議場に「蛍の光」、規則違反の別れの演説(動画)

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