最新記事

2020米大統領選 

ブルームバーグ出馬に民主党内からも批判噴出の理由

Michael Bloomberg Entering 2020 Race an 'Egotistical Charade' says Activist

2019年11月25日(月)18時20分
タレク・ハダド

銃規制を求める集会に参加したブルームバーグ(8月10日、アイオワ州デモイン) Scott Morgan-REUTERS

<大手メディア企業の創業者として築いた富にモノを言わせるかのような選挙手法に早くも疑問の声>

来年の米大統領選挙への出馬の意向を表明したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(77)。これに対し「自己満足の茶番だ」といった批判の声が上がっている。

ブルームバーグについては、不出馬という当初の決定を再検討していると伝えられていた。ブルームバーグはツイッターに「私はドナルド・トランプを倒し、アメリカを再建するために大統領選に出馬する。ビジネスと政府、慈善活動における私の他にはない経験は、勝利し国を率いる力を与えてくれると信じている」と投稿した。

だが出馬表明から間をおかずして、さまざまな批判の声が上がっている。その代表格が「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」運動の他、ニューヨーク市長時代のブルームバーグの政策に批判的だった複数の団体に関与している市民活動家のショーン・キングだ。

「文字通り金で大統領の地位を買おうという、ブルームバーグの完全な思い上がりと純然たるエゴだ」とキングはツイッターで述べた。

「彼は単に、最初の4つの予備選で選挙運動すら行うつもりがないことと、献金を受け取るつもりがないことを表明しただけだ。カリフォルニアやテキサスといった最も大きい州を金で買うのが彼の計画だ。茶番だ」

<参考記事>打倒トランプに、ブルームバーグが立ち上がった
<参考記事>「オバマの再来」オロークが民主党予備選から撤退......候補者レースの本質は「対比」にあり

マイノリティーにとって地獄だった

キングはこうも述べた。「ブルームバーグさん、あなたがこれまでに示してきた人種差別主義や偏狭さ、イスラム恐怖症が、市長時代のあなたが本当のあなたではなかったかのような振りをして選挙に出ることなど、ニューヨーカーは認めないはずだ。あなたの政策はニューヨーク市のアフリカ系アメリカ人やラティーノ、イスラム教徒にとってこの世の地獄のような状況を引き起こした」

「以前から公人としてのあなたの経歴には疑問符がついていたが、今度はあなたが自己満足の茶番のために何億ドルもの金を無駄遣いするのを国中が見ることになる。その金で民主党が上院で過半数を取るのを応援したり、信頼できる候補を支援することもできるというのに」

ブルームバーグが出馬を再検討した理由は、現在の民主党の大統領候補たちの顔ぶれではトランプを倒せないのではと考えたからだと伝えられている。

ブルームバーグが出馬を考えているとの報道に対し、地元ニューヨーク州選出のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(民主党)も手厳しい反応をした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中