最新記事

動物

母親に育児放棄されたチーターが、犬の「代理きょうだい」と大親友になれた理由

A Cheetah at Cincinnati Zoo Has Become Best Friends with a Rescue Dog

2019年11月8日(金)13時40分
ロージー・マコール

シンシナティ動物園のチーター、クリス(左)と救助犬レムス(右)は大親友になった Cincinnati Zoo & Botanical Garden/FACEBOOK

<母親にすてられて動物園にやって来たチーターの子供は、親友になった救助犬と一緒に元気に成長中>

チーターと犬が自然界で仲良くなることなど考えにくい。しかしシンシナティ動物園では、チーターの子供と犬を一緒に飼育するプログラムが成果を上げている。

チーターの雌の子供クリスと世話役の救助犬レムスが暮らすのは、オハイオ州南西部シンシナティにあるシンシナティ動植物園。今年9月に2匹が最初に出会った時、クリスは大きな不安を抱えていた。

チーターのクリスとレムスの最初の出会い


しかし以下の動画を見れば分かるように、クリスは次第にレムスに打ち解け、2匹はすっかり仲良くなった。それ以来、動物園はクリスが成長してレムスと友情を育む姿を撮影した動画を、フェイスブックで随時公開している。

「BFF sleepover(親友でお泊り)」

「広場で遊ぶクリスとレムス」

動物園がブログで説明しているように、チーターと犬を一緒に飼育するのは様々な理由があり、シンシナティ動物園でも、クリスとレムスの以前にも一緒に飼育したことがある。これまでに6つのペアが成功し、1981年の最初のペアはチーターのエンジェルと大型犬グレート・デーンのドミニクだった。

その後、サラとレキシー、トムとパウワウ、ドニとムースのペアができ、最後のドニとムースはこの3年間、ずっと親友として過ごしている。これは、1匹で動物園にやって来たチーターに一緒に遊べる代理の「きょうだい」を提供する、シンシナティ動物園の「キャット・アンバサダー・プログラム」の一環として行われている。

クリスのように対象になるチーターの子供は、母親から育児を放棄されていることが多い。きょうだいの中で1~2匹だけが生き残るようなケースだ。メスのチーターは、もっと多くの3~5匹の子供を育てるために、今の子供たちを放棄して母乳も止めてしまうことがある。アメリカ動物園水族館協会(AZA)の記録ではチーターは最大で8匹の子供を育てる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高

ビジネス

仏クレディ・アグリコル、第1半期は55%増益 投資

ビジネス

ECB利下げ、年内3回の公算大 堅調な成長で=ギリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中