最新記事

米大統領

「トランプには戦略的、抽象的な思考が欠如している。世界にとって危険なことだ」

Trump’s ‘Mental Impairment Means He Cannot Think Strategically or in Abstract Terms,’ Claims Professor of Psychiatry

2019年10月25日(金)14時50分
シェイン・クラウチャー

また今月、ハーバード大学のダニエル・ギルバート教授(心理学)は、トランプを強制的に拘束して精神的な健康をチェックするべきだと提唱した。

トランプは先週トルコのシリア攻撃に関連して、もしトルコが何か「比類なき偉大な私の叡智によって、限度を越えたと見なす」行為をしたら、「トルコ経済を完全に破壊し、壊滅させる(以前にやってことがある!)」とツイートした。ギルバートはそれにリツイートして、トランプの精神状態に疑問を呈した。

「このトランプの主張、脅迫が尋常ではないと考える心理学者は私だけなのか? 通常であれば精神疾患による拘束が必要とされるのではないか? 政治的右派、左派の立ち位置はさておき、これが深刻な問題であることを認めなければならない」と、ギルバートは書いている。

エール大学の精神医学者バンディ・リーは昨年、トランプ一家の長年の友人がトランプの精神状態に不安を感じて連絡してきた、と本誌取材に対して語った。また政権内部の政府職員2人からも同様の連絡があったと言う。

病的自己愛かソシオパス

リーは昨年、学術系ニュースサイト「ザ・カンバセーション」に寄稿し、トランプが「感情的な強迫衝動、集中力欠如、自己愛、無謀さなどを反映した心理的症状」を示していると主張した。

また大統領顧問ケリーアン・コンウェイの夫で法律家のジョージ・コンウェイは今月、米誌「アトランティック」に長文の意見記事を寄稿し、トランプが精神的に大統領職に不適格であるという証拠を書き連ねた。

「一言で言えば、トランプに深く染みついた極端な行動的特徴から見て、憲法が求める大統領の役割を遂行することは不可能だ」と、コンウェイは述べている。

「問題は、トランプが国民の最高の信頼の受託者として行動できるかどうかにある。トランプが、病的で悪質な自己愛、ソシオパス(そのどれでもいいが)といった極端な行動的特徴を示していることを考えれば、それができないことは明らかだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年1月以来の低水準

ワールド

アングル:コロナの次は熱波、比で再びオンライン授業

ワールド

アングル:五輪前に取り締まり強化、人であふれかえる

ビジネス

訂正-米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中