最新記事

2020東京五輪

ドーピング隠蔽疑惑でロシアの東京五輪参加が危うい

2019年10月3日(木)11時10分
アイラ・スリスコ

ロシア人選手は平昌五輪に個人資格で出場した KIM KYUNG HOON-REUTERS

<スポーツ界に疑惑の絶えないロシア、平昌に続いて東京オリンピックでもその国旗を目にすることはないかもしれない>

国家ぐるみのドーピング違反が発覚し、2018年の平昌冬季オリンピックへの国としての出場資格を剝奪されたロシア。その後、処分は解除されたが、ここにきて新たな不正と隠蔽疑惑が浮上している。

世界アンチ・ドーピング機構は9月23日、モスクワの検査所から提出された薬物検査のデータと検体に「矛盾」があると発表。陽性反応が出たにもかかわらず提出資料から削除された数多くのケースについて説明するようロシア側に要求した。

3週間以内に十分な回答を得られなければ、2020年の東京オリンピックを含む主要な国際大会へのロシア代表チームの出場が禁じられ、ロシア人選手は「個人資格」で参加するしかなくなる恐れもある。

ロシアのコロプコフ・スポーツ相は調査に協力する姿勢を表明したが、組織的な隠蔽疑惑はこれだけではない。今年6月には、男子走り高跳びの有力選手のドーピング検査に関する文書が偽造され、ロシア陸連が共謀したとして調査が続いている。ロシア国旗がまた見られない?

<本誌2019年10月8日号掲載>

【関連記事】東京五輪の前に、ロンドン五輪の結果が待ち遠しい
【関連記事】ロシアのドーピング疑惑を暴く、ネットフリックス配信ドキュメンタリー

20191008issue_cover200.jpg
※10月8日号(10月1日発売)は、「消費増税からマネーを守る 経済超入門」特集。消費税率アップで経済は悪化する? 年金減額で未来の暮らしはどうなる? 賃貸、分譲、戸建て......住宅に正解はある? 投資はそもそも万人がすべきもの? キャッシュレスはどう利用するのが正しい? 増税の今だからこそ知っておきたい経済知識を得られる特集です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高

ビジネス

仏クレディ・アグリコル、第1半期は55%増益 投資

ビジネス

ECB利下げ、年内3回の公算大 堅調な成長で=ギリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中