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監視社会

iPhoneの個人情報を数秒でスキャン 中国企業、当局向け監視機器開発にしのぎ

2018年6月6日(水)14時31分
ロイター 

中国企業は、自国の治安機関からの要求に応えようと開発に力をいれており、他社の追跡監視機能を上回ろうとする監視テクノロジーの開発競争が起きている。西側企業はこれまでのところ、中国の監視ブームでは表立った役割はほとんど果たしていない。

北京を拠点とする海鑫科金は、同社が開発したデスクトップ型と携帯用の電話スキャナーによって、フェイスブックやツイッターを含めた90以上のスマホのアプリから、消去済みデータさえも回収できるとしている。

この製品の大きな強みは、人気のiPhone(アイフォーン)などに使われている米アップルの基本ソフトiOSのデータも収集できるとしている点にあると、製品を見ていた新彊ウイグル自治区の警察官は話した。

「新彊では、もうこの種類のスキャナーが導入されているが、これは他の製品よりiOSに強いとうたっているので興味を持った」と、Guと名乗るこの警察官は言った。この展示会のために3000キロを移動してきたという同氏は、フルネームは教えてくれなかった。

多くのアナリストは、iPhoneのiOSはもっとも安全だと考えている。侵入に成功したのは、イスラエルと米国の数社しかないと報じられている。だがその性能は、秘密のベールに包まれている。

「iOSに侵入する方法は、以前から存在している」と、メルボルンにあるディーキン大学サイバーセキュリティ研究センターのマシュー・ウォーレン副所長は言う。「だがこれが他と違うのは、中国当局が、その能力を持っていることを認めている点だ」

北京の展示会では、数社がロイターに対し、iOS6からiOS8.1までのOS上で、4ケタのパスワードを破ることができると語った。最新のiOS10のセキュリティについては、研究中だという。

これらの出品者は、旧型アイフォーンのセキュリティに侵入できるという主張の実演は行わなかった。アイフォーンの最新OSでは、より安全性の高い6ケタのパスワードが導入されている。

アップルは、出品者の主張に対してコメントしなかった。

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