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中国「音響攻撃」説は本当か......米政府職員が脳損傷

2018年5月31日(木)11時20分
シャーロット・ガオ

フーはまだ仮説にすぎないと断った上で、盗聴用の超音波送信機が盗聴防止用の超音波ジャマー(妨害波発信機)に反応したのではないかと指摘する。「どちらの装置も、さまざまな勢力が互いに知らないまま勝手に設置したのかもしれない」

フーは中国のケースも、「音響兵器よりエンジニアの不手際や機械の不具合のほうが可能性はずっと高い」と考えている。中国の出来事がキューバの「音響攻撃」に「酷似」しているとすれば、どちらのケースでも粗悪な超音波送信機か超音波ジャマー、あるいはその両方が使われていたのかもしれない。

今のところ、中国側の反応は抑制的だ。中国外務省は5月24日、こんな声明を発表した。「中国は『外交関係に関するウィーン条約』と『領事関係に関するウィーン条約』に基づき、常にアメリカ人外交官を含む外交使節の安全を守ってきた。中国は真摯に調査をし、既に初期の報告をアメリカに行った」

本誌2018年6月5日号[最新号]掲載


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