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いてもいなくても関係ない! 環境DNA手法を駆使してネッシーに挑む

2018年5月30日(水)18時30分
松丸さとみ

英国最大の湖の実態が明らかに

現在51歳のジェメル教授は、20代のころ休暇でネス湖を訪れて、ネッシーがいないかと目を凝らした思い出があると、タイム誌は伝えている。今回のようにDNAを使用するアイデアは今から数年前に思いついた。教授の2人の子供(7歳と10歳)は、今回のこの調査について、お父さんがこれまでやったことの中で最高にかっこいいことの1つ、と言っているそうだ。

万が一、ネッシーが見つからなかったとしても、バクテリアなど新たな種が今回の調査で見つかるだろう、とジェメル教授はphys.orgに語る。さらに、近年ネス湖で見られているカラフトマスなどの外来種に関するデータを取れたり、在来種の実態が分かったりと、淡水湖として英国最大の水量を誇るネス湖の生態系をより深く把握できるだろうと教授は期待している。

ジェメル教授は、今回の調査がネッシーの発見につながるとは考えていないようだが、見つからなかったとしても、ネッシーの存在を信じている人たちが思いとどまることはないだろう、とタイム誌に話す。というのも、そうした人たちは、DNAが見つからなかった場合の仮説をすでに教授に説明しているからだ。「湖の中にある秘密の洞窟から海へと抜け出して、バケーションに行ってしまったから」、「実は地球外生命体でDNAなど残さないから」など。ネッシーファンは想像力が豊かだ。

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