最新記事

経営

営業がつらい理由「ノルマ」が36.3% これからは「ノルマ=KGI」の時代へ

2023年8月8日(火)18時00分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載

【1】業績評価

業績評価では、目標達成度など具体的な数字が評価の対象となります。評価期間中に上げた営業業績を数値化し、あらかじめ設定されている目標に対して達成率を元に評価します。

【2】能力評価

能力評価では、業績を上げるための個々の行動様式や潜在的な能力が評価対象となります。営業スタッフが持つスキルや知識、職務を通じて新たに身につけた能力、想定外の事態への対応力などが評価されます。数値化が難しいこれらの項目は、(評価者の)主観を排除した公平な評価を行うことが課題となります。

 
 
 
 
 

【3】情意評価

仕事に対する取り組み方や姿勢を評価する項目も設けられることもあります。これは"情意評価"と呼ばれ、仕事への熱意や意欲的な姿勢、勤怠や勤務態度、積極的な業務改善姿勢などが評価対象となります。

営業業績が伸び悩んだり、能力の向上が見られなかったりしても、仕事への向き合い方や姿勢への評価を通じて公平に評価し、モチベーション維持につなげることが可能です。

目標を達成できない営業スタッフへの個別の対応

ときには、目標達成に苦戦するスタッフもいるでしょう。そうしたスタッフへの個別対応は、組織の健全性と長期的な業績に大いに影響します。

対応策として、目標達成できない原因を考え、今後の改善策を練ることや、トップセールスなどのノウハウ共有を行うことが有効的でしょう。また、目標達成できない状態が続くと、自己評価が低下し、モチベーションが低下することがあります。定期的な1on1ミーティングを行うなど、心身のサポートをできる体制にしておきましょう。

また、最も重要なポイントとしては、目標達成が難しいスタッフに対して、数値の達成だけでなく、行動や努力を評価する公正な評価体系を整備することです。行動考課や情意評価を導入し、スタッフの努力を適切に評価しましょう。

まとめ

「目標必達」の意味を込めて使うアップデート版"ノルマ"は重要な指標ですが、過度な"ノルマ"は強引な営業やプレッシャーによるメンタル不調などを招きやすいため、適切な設定と運用が必要です。

現代にフィットするように、KGI・KPIといった指標を用い、現場のスタッフと十分にコミュニケーションをとったうえで決定しましょう。目標達成困難な社員には適切なサポート体制や公正な評価体系をつくりましょう。

[執筆者]
山口ヨシカズ
大手精密機械メーカーのソフトウェアエンジニアを経てライターに転向。IT、DX、テクノロジー関連を中心に、金融、不動産、マーケティングなど幅広いジャンルで執筆している。大学院時代の専攻は電子情報システム工学。猫が好き。

2023.07.13

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
keieiknowhow_logo200.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ドイツ銀、S&P500年末予想を5500に引き上げ

ビジネス

UAE経済は好調 今年予想上回る4%成長へ IMF

ワールド

ニューカレドニア、空港閉鎖で観光客足止め 仏から警

ワールド

イスラエル、ラファの軍事作戦拡大の意向 国防相が米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 8

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 9

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中