最新記事

教育

「お金もちには、どうすればなれるの?」 子どもの素朴な疑問にあなたならどう答える?

2022年9月3日(土)13時05分
午堂 登紀雄(米国公認会計士) *PRESIDENT Onlineからの転載
貯金箱にコインを入れて遊ぶ子供と母親

「お金持ちにはどうすればなれるの?」 あなたなら子供の質問にどう答える? Tomwang112 - iStockphoto


子どもに「お金持ちになるにはどうすればいいか」と聞かれたら、どう答えればいいのか。多くの富裕層と交流がある不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんは「これには正解がなく、子どもによって適切な表現があるでしょう。ただ、小2の長男が『不登校宣言』をしたときに、私がかけた言葉は参考になるかもしれません」という――。


お金をたくさんもらえる人の特徴

この夏休みに子どもたちから意表を突いた質問をされ、答えに窮することもあったでしょう。

たとえば「お金持ちになるにはどうすればいいの?」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。

ここに正解はないとは思いますし、子の年齢や感受性、理解力などによっても最適な回答は異なるでしょう。

そもそもなぜお金持ちになりたいと思ったのか動機が気になるところですが、私ならこう答えるだろうと思います。

「人や社会の役に立つ人間になって、『ありがとう』という感謝の声をたくさんもらえる大人になることだよ」

するとおそらく「それどういうこと?」と聞かれると思います。そこで、

「お金をたくさんもらえる人は、難しい問題を解決したり、みんなが喜ぶような商品やサービスを作ったり、人の願いをかなえてあげたり、人に夢や希望を与える人なんだ。だからその感謝の対価としてお金をいただけるんだ」と説明します。

あらゆる仕事は顧客の問題解決業

わかりやすい例を挙げると、たとえば売れっ子漫画家は、日本だけではなく世界中の読者を楽しませている。だから売れる。だからたくさんの印税や版権収入を得られる。売れっ子作曲家も、多くの人が感動したり元気をもらえるような楽曲を作っているから、たくさんの印税収入が入る。作家やクリエイターなども同じです。

実業であっても、たとえば弁護士は顧客の法的課題を解決するからこそお金をいただける。その課題がより難しく複雑で、さらにほかの弁護士よりもより満足度の高いソリューションを提供できる弁護士が、より多くの報酬をいただける。

あるいはエステサロンや植毛などは、顧客の「こうなりたい」という願望(課題)をかなえる仕事ですが、それを望んでいる人が多いからこそ、これほど巨大な産業になっているわけです。

そもそもあらゆる仕事は顧客の問題解決業です。

その中でもより多くのお金を手にできるのは、その問題解決を、他人よりもうまくできるとか、速く正確にできるとか、より顧客に満足してもらえるからでしょう。あるいは、ほかにやってくれる人が少ないという場合もあるとは思います。

むろん顧客とは、直接的な得意客や消費者だけでなく、会社員なら自分の上司や自部門、自分が勤めている会社そのものも顧客になるでしょう。

逆に言うと、顧客からの「ありがとう」の声が小さいとか、ありがとうの数を少ししか集められない人は、お金持ち(ここでは資産額ではなく収入を前提にします)にはなれないということになります。

これは、高校生や大学生など、ある程度の社会的知識や職業知識を持ってからの方がピンと来るかもしれません。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中