最新記事

経営

気を付けるべき12種類のハラスメント、うち法律で規制されているのは3種類

2022年8月31日(水)11時00分
伊藤将人 ※経営ノウハウの泉より転載

⑧リモートハラスメント

リモート環境を利用したハラスメントを指します。特定の者をWEB会議に参加させなかったり、常にカメラをONにすることを強要したり、業務上必要のないやりとりを行うなどの行為が該当します。リモートでの管理に慣れていないことや、公私混同になりがちなリモートワークの特性など、さまざまな原因があります。

⑨テクノロジーハラスメント

パソコンやスマートフォンなど、ハイテクノロジー技術に詳しい人やITスキルの高い人が、そうでない人に対していじめや嫌がらせを行うこと。わざと専門用語を使って指示を出し、相手を困惑させる行為もその一部です。

⑩ジェンダーハラスメント

男らしさや女らしさを強要するハラスメントを指します。「男なのに酒も飲めないのか」、「クライアントへのお茶出しは女の仕事」などといった発言や、性別による偏見を原因とした不公平な評価、採用や昇進機会の損失などが該当します。

⑪エイジハラスメント

年齢に対する嫌がらせを行う言動を指します。中高年で役職の地位に就かない従業員に対して「その歳で平社員なんだ」、女性に対して「そろそろ結婚して落ち着いたら?」など、年齢により相手を不快にする言葉が該当します。

⑫ハラスメントハラスメント

ハラスメントと過剰に主張する嫌がらせを指します。上司が部下に対して日常の業務指導をしたつもりが逆に「パワハラだ」と攻撃された、露出度の高い服を着てきた女性社員に注意したら「セクハラされた」と相談窓口に訴えられた、などのケースが事例としてよく挙げられます。

法律で規制されているハラスメント

12種類もの多種多様なハラスメントをご紹介しました。そのうち労働関連法で会社に対策措置を講ずるよう求めているのは、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントの3つに限られています。それぞれは、以下の法律に定められています。

■パワーハラスメント:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(「労働施策総合推進法」

■セクシャルハラスメント:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(「男女雇用機会均等法」

■マタニティハラスメント:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律と育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(「男女雇用機会均等法」「育児介護休業法」

これらの法律は、労働基準法のように最低基準を定め、刑事罰をもって会社に法律を守らせるものではなく、ハラスメントはどういうものかをざっくりと定義した上で、会社にハラスメントのない職場環境を作り、以下の3つを行うよう求めています。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ICC、ネタニヤフ氏とハマス幹部の逮捕状請求 米な

ビジネス

米年内利下げ回数は3回未満、インフレ急速に低下せず

ワールド

イラン大統領ヘリ墜落、原因は不明 「米国は関与せず

ビジネス

FRB副議長、インフレ低下持続か「判断は尚早」 慎
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 2

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 5

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 6

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中