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「近海は全てわが物」中国の横暴なマイルール...日本がとるべき対応は?

GREY‒ZONE COERCION

2023年7月12日(水)15時30分
グレゴリー・ポーリング(米戦略国際問題研究所シニアフェロー)

日米は東南アジアのパートナー諸国、特に実力が不足するフィリピンに空海軍と沿岸警備隊の能力を強化する支援を続けるべきだ。そしてアメリカは米軍の南シナ海への定期的アクセス維持のため、フィリピンでの限定的軍事プレゼンスを強める活動を加速すべきだ。なにしろグアムと日本はその任務には遠すぎる。そして長期的な連合を構築して中国を非難し、外交的・経済的コストを課して、妥協点を探る時間を稼ぐのだ。

ただし、変化が起きるのは習近平(シー・チンピン)国家主席の次の世代以降になるだろう。それまで2つの海は、管理は可能だとしても危険な状態が続く。

日本への影響

2つの海における中国の主張は異なるが、意味する脅威は同じだ。尖閣周辺における海警の執拗な侵入は拡大するかもしれず、南西諸島で日本のプレゼンスを高めて対抗するほかない。だが東シナ海での現状維持は闘争の半分にすぎない。国際法と主権の尊重が南シナ海で毀損されれば、あらゆる場所でも弱まる。だから日本は東南アジア諸国への支援を直接的国益と見なしてきた。中国への短期・長期的戦略が失敗すればグレーゾーン威圧はいずれ成功し近隣国は権利の放棄を強いられ、法の支配と地域安定が損なわれるだろう。インド太平洋は再び覇権主義と力が正義の地政学によって定義される。

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