最新記事

トランプ

【独自調査】トランプ支持率、起訴後ますます上昇

Donald Trump's lead is growing over Republican rivals

2023年4月3日(月)16時38分
ポール・ボンド

起訴は「魔女狩り」だと反論するトランプ(4月2日)SOCIAL MEDIA WEBSITE / DONALD J. TRUMP FOR PRESIDENT 2024/REUTERS

<今後明らかになる起訴内容が浮気の口止め料のような軽いものだけであれば、トランプの支持率はここからさらに上昇する可能性がある>

ニューヨークで起訴された後もドナルド・トランプの支持率は上昇し、共和党の最有力大統領候補としてトップを走り続けていることが、本誌の独自調査でわかった。

トランプは3月21日、自身が逮捕されるとSNSで訴えたが、そのとおり、30日に起訴が発表された。これによって、彼は刑事事件で起訴される初の大統領経験者となった。

トランプに対する捜査は、AV女優への口止め料支払いや自身の業務記録にまつわる選挙資金法違反の容疑で行われてきた。トランプは起訴を政治的動機によるものだとし、不正行為を否定している。

共和党は直ちにトランプの擁護に走り、起訴は共和党の指名を勝ち取り、大統領に返り咲きをはかるトランプの助けになるだけだと述べた。

その傾向は、本誌がトラファルガー・グループに委託して行なった世論調査にも示されている。

トランプ起訴の見通しが明らかになる前の3月14日〜19日にかけて行った調査では、トランプは共和党大統領予備選挙に投票を予定している有権者の43.8%に支持されていた。

起訴後の3月22日〜25日にかけて行われた2回目の世論調査では、トランプへの支持は逆に44・4%に増えた。世論調査は1082人を対象に行われ、誤差は2・9%だった。

支持率過半数の可能性?

どちらの調査においても、フロリダ州知事のロン・デサンティスの支持率は、立候補の可能性が高い11人の中で2位だった。だがトランプ起訴のニュースを受けて数字が落ち込み、32・2%から30・4%へと下がった。

トランプに対する捜査の根拠は、マンハッタンでの事業に関する疑惑のほか、2016年の大統領選挙の前に、AV女優のストーミー・ダニエルズに口止め料を払って自分との関係を秘密にさせた容疑だったが、起訴内容は今のところ封印されている。

「共和党を支持する有権者が、今回の起訴内容にはそれほど説得力がなく、ほとんどがストーミー・ダニエルズに関する容疑だと考えるなら、トランプの支持率は50%に増えるかもしれない」と、トラファルガーの主任世論調査員ロバート・カハリーは言う。「そうなれば、共和党の大統領候補者はこれ以上増えないだろう。態度を決めかねている人の中が、出馬を止めるからだ」

トラファルガーの世論調査はまた、現職のジョー・バイデン大統領あるいは他の民主党候補に勝てるかどうかに関係なく、有権者が純粋にどの共和党候補者が大統領にふさわしいと思っているかを把握しようとした。すると、デサンティスの支持率はトランプにかなり近づき、38.5%から40.2%にまで迫った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 5

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中