最新記事

カナダ

推定「Zカップ」の人工乳房を着けて授業をした高校教師、大揉めの末に休職

2023年3月6日(月)17時35分
佐藤太郎

州教育大臣が教育委員会を批判

ルミューを休職させる決定は、ある記者がルミューを尾行した結果、授業中だけ人工乳房を装着し、勤務中以外は男装しているように見えるという情報が拡散された直後に下された。

レッチェ州教育大臣はじめ複数の州議会議員が、教育委員会は「生徒の利益と安全を第一に考えず、責任を放棄した」と批判したため、この教師は停職処分になったとThe Sun紙は報じている。

ある保護者は教育委員会に対し、「学校環境で提示されるアイデンティティと表現の形態は、(中略)子どもに対する保護行為と照らし合わせて精査されなければならない」と指摘した。

「現在、ルミューが指導するクラスはないが、ハルトン地区教育委員会による雇用は続いている」と、学校に雇われたスポークスマンはトロント・サン紙に状況を説明した。

本人は何を語る?

ルミューは、問題の画像に写っている男性が自分ではないと主張し、同時に、自分は珍しい病気で胸が普通より大きいと語る。

「これが私。これが私の姿よ。あなたは私の近所の人たちと話をしているようですが、彼らが話していることは辛辣で、真実ではない。私はいつもこのままの姿で出かけている」

2021年にホルモン補充療法を開始したと付け加えた。ルミューは性別を「移行中」であり、自分は、トランスジェンダーではなく、インターセックスとして生まれたと話す。

ルミューは診断を受けたことはないとしながらも、自分の大きな胸は、胸が大きくなり続ける病気「ギガントマスティア(gigantomastia)=巨大乳房症」によるものだと、ニューヨーク・ポスト紙に説明している。

「教育委員会の指示には従う」らしいいが、「私の服装に問題があるとは思っていない。他人の個人的な意見です。私はプロらしくない格好をしてきたとは思っていない」と言い切る。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中