最新記事

韓国

「韓国が嫌いで......」 三一独立運動記念日に日の丸掲げたマンション住人に批判殺到

2023年3月1日(水)21時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

韓国にとっては重要な3.1節の日に堂々と日の丸を掲げるという「暴挙」が行われた YTN / YouTube

<日本からの独立運動を記念した祝日にあろうことか日の丸を掲げた者がいた>

3月1日は何の日? 1954年のこの日、米国の水爆実験で「第五福竜丸」乗組員全員が被爆した「ビキニ・デー」。あるいは、3月と行進曲の英語が「March(マーチ)」であることにちなんだ「行進曲の日」。そして、韓国では重要な祝日「3.1節」の日だ。

1919年3月1日に日本植民統治時代の朝鮮で発生した独立運動を記念する祝日だが、そんな愛国心がもっとも高まる日に、あろうことか、あるマンションの住人がベランダに日の丸を掲げるという暴挙に出た。イーデイリーなど韓国メディアが報じた。

国民を愚弄する行為だ!

3月1日、韓国の国政機関が集まる世宗(セジョン)市の地域オンラインコミュニティサイトに「あるマンションのベランダに日の丸がかかっている」という投稿が写真とともに次々とアップされた。この写真はあっという間にネット上に拡散され炎上。指摘されたマンションにも抗議の電話が殺到する騒ぎになった。

マンションの管理事務所は「日の丸が掲げられた家庭を数回訪問したが、人の気配がないことから留守のようだ」と発表。一方、世宗市側は「日章旗掲揚の経緯を把握している。該当住居の住人に会って、すぐに降ろすように要求する方針だ」と明らかにした。

近隣の住民は「日の丸がいつ降ろされのか見てみよう」と話して注目する一方、ネットでは現場から生中継する者まで現れた。

ネットユーザーでは「町の恥だ」「あんなことするんなら、日本に住めば?」「最初は合成かと思った」「3・1節を嘲弄し、我が国の国民を愚弄する行為だ」「日本人になれば」と怒りの投稿が続々とアップされ、日の丸を掲げたマンションの住民を特定して晒す動きまで出てきた。

日の丸を掲げた「犯人」は?

こうして騒ぎが大きくなった日章旗を掲げた住居の居住者は、住民たちの抗議に根負けしたのか、午後4時にマンション1階に姿を現した。

事件の「犯人」は夫婦と思われる30代のカップルだった。二人はマンション住民らに「韓国が嫌いだからやった」「あなたは"デケムン"(頭割られても文在寅を支持するという、革新政党支持者を蔑視する用語)なんでしょ?」と聞き返すなど険悪な雰囲気になったが、現場に出動した警察によって物理的衝突は発生しなかったという。

このカップルは、自分たちを「韓国生まれ日本人」と主張したが、事実かどうかは確認されなかった。日章旗もこのタイミングで降ろされた。

大韓民国国旗法と祝日に関する法律によると、「3.1節」や同様の祝日に外国国旗を掲揚することは制限できず、このような状況で日章旗を強制的に降ろさせたり、処罰できる方法はないという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:中国地方都市、財政ひっ迫で住宅購入補助金

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中