最新記事

欧州

ロシア、列車通過拒否するリトアニアを脅迫「深刻な悪影響に直面」

2022年6月22日(水)09時45分
ロシアの飛び地カリーニングラードの貨物車両

ロシアの飛び地カリーニングラードへの本国からの貨物列車の運行がリトアニアに拒否した問題をめぐり、ロシアは21日、「深刻な悪影響」に直面することになると警告した。写真はカリーニングラードで撮影した貨物車両(2022年 ロイター/Vitaly Nevar)

ロシアの飛び地カリーニングラードへの本国からの貨物列車の運行がリトアニアに拒否した問題をめぐり、ロシアは21日、「深刻な悪影響」に直面することになると警告した。

ウクライナ東部のロシア軍と親ロシア派はさらに進撃し、ドンバス地域の一部であるウクライナ軍の主要な砦であるリシチャンスクに向けて軍を推し進めた。

ウクライナは西側諸国に対し、より多くの大砲を送るよう要請を続けている。レズニコフ国防相は、強力なドイツの自走榴弾砲が到着したと発表した。

欧米諸国の制裁に対する報復措置として、ロシアはウクライナ経由での欧州へのガス供給を減らし始めた。欧州連合(EU)加盟国は、供給危機に対処するための対策をまとめた。

ドイツのハベック経済相は、ロシアによる供給縮小はプーチン氏の恐怖をあおる作戦の一環だと指摘し、「この戦略を決して成功させてはならない」と訴えた。

カリーニングラードへの貨物列車による輸送をリトアニアが禁止したことについて、ロシア大統領の最側近、パトルシェフ安全保障会議書記は、リトアニア国民が痛みを感じる形で対応すると警告した。

ロシア通信(RIA)によると、パトルシェフ氏は、リトアニアの「敵対的な」行為はロシアが西側諸国を信頼できないことを示すものだと語った。

「ロシアはこのような敵対的な行動には必ず対処する」と表明した。「適切な措置が省庁間で検討されており、近いうちに実施する」とし「その結果、リトアニア国民は深刻な悪影響を受ける」と威嚇した。

また、ロシア外務省はこの問題を巡り、エデラー駐モスクワEU大使を呼び、正式に抗議した。EU報道官によると、エデラー氏はロシアのウクライナ侵攻を巡るEUの立場を明確にした上で「状況をエスカレートさせるような措置やレトリック」を控えるようロシア側に要請した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中