最新記事

レバノン

レバノン内戦再燃の危機、銃撃戦が「あの場所」で起こった意味

2021年10月18日(月)13時55分
トム・オコナー
レバノンのベイルートで起こった銃撃戦

10月14日、抗議デモが銃撃戦に発展した Aziz Taher-REUTERS

<200人以上が死亡した昨年の大規模爆発の捜査をめぐり、抗議デモを行っていたヒズボラとアマルの支持者たち。衝突の現場は特別な場所だった>

経済崩壊とエネルギー危機が深刻なレバノンに、内戦再燃の脅威が迫っている。

10月14日、首都ベイルートの裁判所前で、共にシーア派武装組織であるヒズボラとアマルの支持者らが抗議デモを行っていたところ、参加者を狙った銃撃が発生。デモ隊も反撃して大規模な銃撃戦に発展し、デモ参加者ら6人が死亡した。

ヒズボラは対立するキリスト教系の民兵組織による銃撃だと非難している。

今回の衝突の現場は、多くのレバノン国民にとって特別な思いのある場所だ。シーア派系住民とキリスト教系住民がそれぞれ暮らす地区の境界付近で、1975年から15年間続いた内戦が始まったエリアだからだ。

デモ隊は、昨年8月にベイルートの港湾地区で発生した大規模爆発の捜査を担当する判事の解任を求めていた。

爆発によって200人以上が死亡したが、深刻な政治腐敗と内戦リスクを回避したい思惑が相まって、原因究明も関係者の処罰も進んでいない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 8

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中