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ネアンデルタール人は冬眠していた? 

2021年1月5日(火)14時50分
松丸さとみ

「興味深いが...」、反対意見も

とはいえ、反対意見も少なくないようだ。英ノーサンブリア大学の法人類学者パトリック・ランドルフ・クイーニー博士はガーディアンに対し、「非常に興味深い主張だ」としながらも、シマ・デ・ロス・ウエソスの遺跡で見つかった化石骨に見られた損傷には、他の原因があるかも知れず、結論を出す前にそうした可能性をすべて吟味する必要があると話した。

また、ロンドン自然史博物館に勤務するユニバーシティ・カレッジ・ロンドン考古学研究所のクリス・ストリンガー教授は、クマのように大型の哺乳類は、実のところ冬眠はしていないと指摘する。クマは体が大きすぎるため、冬眠するレベルに深部体温を下げることができない。そのため、「休眠」と呼ばれる状態になるのだという。

シマ・デ・ロス・ウエソスで見つかったような人類の脳のサイズだと、たとえこうした休眠状態であってもかなりのエネルギーが必要となるため、休眠状態のまま生き延びることはできなかっただろうと説明している。

とはいえストリンガー教授はガーディアンに対し、人類が冬眠していたという考えは非常に興味深いと話し、シマ・デ・ロス・ウエソスで見つかった人骨や、ネアンデルタール人やデニソワ人のゲノムをそれぞれ解析して、休眠の生理機能に関する遺伝子の変化があったかを調べて検証できるかもしれないと述べた。

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