最新記事

動物

首にタイヤ巻き付いたワニ救え! 豪からクロコダイル・ダンディーが参戦

2020年2月13日(木)14時55分
大塚智彦(PanAsiaNews)

4年間首にタイヤを巻き付けたままのワニ。Antara Foto Agency - REUTERS

<首にタイヤが巻き付いた状態で4年間生き延びている全長4mのワニ。こんな怪物を生け捕りで救出できるタフガイがオージーからやってきた>

インドネシア・スラウェシ島で首にバイクのタイヤがはまった状態で見つかったワニからタイヤを外す「救出作戦」が新たな段階を迎えている。過去に何度か行われた救出作戦はことごとく失敗。2020年1月からは懸賞金を示してタイヤを外す作業への挑戦者を公に募集したものの、あまりに危険な作業であることなどから期限内に応募者がなかった。

このため環境団体や自然保護局関係者が今後の対応策を協議していたが、オーストラリアから「ワニの専門家」が駆けつけ、政府の許可を得て現地で救出作戦に参加することが決定。2月12日には生け捕りにする新たな「わな」をこのワニが何度も目撃されている川の中に仕掛けた。

4年間、首にタイヤを巻き付けたままのワニ

国営アンタラ通信や地元紙、コンパステレビなどによると、首にバイクのタイヤとみられるものが巻き付いた全長約4メートルのワニは、2016年に中部スラウェシ州の州都パル市内を流れるパル川や付近の海岸などで最初に目撃された。

川か海に破棄されていたバイクのタイヤにワニが何かの拍子に頭を突っ込み、その後抜けなくなった状態が続いているとみられている。このままの状態が続くとタイヤがワニの首を絞めつけ、最悪の場合は生命の危機となる可能性もあるとして、目撃者や付近の住民からはなんらかの対策が必要との声が高まっていた。

このワニは2018年9月28日に発生したパルの北約80キロを震央とするスラウェシ島地震(死者2000人以上、行方不明者約1300人)も生き延び、その後も目撃情報が相次ぎ、地元住民や環境保護団体などから地元自然保護局に早急な対応を求める要望が出され、行政としても放置していくわけにはいかなくなった経緯がある。

このため自然保護局ではこれまでに「ワニ専門のハンター」やワニの専門家などによるあの手この手の救出作戦を何度か実施したものの、いずれも失敗に終わっている。

2018年には環境保護活動家、動物訓練士などが参加した救出作戦、さらに自然保護局が「肉をえさ」にして当該のワニを生け捕る作戦も行ったがいずれもワニを捕まえることはできなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル一時153.00円まで4円超下落、現在154円

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル一時153円台に急落、介入観測が

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中