最新記事

動物愛護

トランプ「動物虐待防止法」に署名で批判再燃、息子たちの猛獣殺し

Mia Farrow Resurfaces Trump Sons Hunting Photo As Animal Cruelty Banned

2019年11月28日(木)17時40分
トゥファエル・アフメド

トランプの息子エリックとドン。ジンバブエで仕留めたヒョウと(2012年) Mia Farrow/TWITTER 

<ミア・ファローがトランプの息子の狩猟写真をツイッターに投稿して批判>

ドナルド・トランプ米大統領が11月25日、動物虐待を連邦犯罪とする法案に署名したことを受けて、女優のミア・ファローが改めて、トランプとその長男ドン、次男エリックを攻撃した。

ファローは26日、ドンとエリックが2010年に狩猟目的でジンバブエに旅行した際、自ら撃ち殺したヒョウの死骸と一緒に撮影した写真をネットに投稿。「ドナルド・トランプ大統領、動物虐待は今や犯罪なのだと自分の息子に教えてあげなさい」という言葉を添えてツイッターに投稿した。

25日にトランプの署名を受けて発効したのは、動物虐待・拷問防止法(PACT)。この法律の下、動物に対する虐待(動物を窒息させる、焼く、潰す、溺れさせるなどの行為)で有罪評決を受けると、最大7年の禁錮刑となる可能性がある。動物虐待を取り締まる法律は既に各州で制定されているが、その内容にはばらつきがあった。


「文明社会において、動物虐待という凶悪かつ残忍な行為はまったく容認できない」――トランプは法案に署名する際こう述べた。

スポンサーも降りる騒ぎに

だがファローのツイートがほのめかす内容とは異なり、今回成立した法律は狩猟を取り締まるものではない。PACT法は「狩猟、罠を使っての捕獲、釣り、連邦法で禁じられていない娯楽目的の捕獲、駆除」や「食肉用の屠殺」については適用の対象外としている。

トランプの息子たちがジンバブエで娯楽目的の狩猟を行った際の写真が最初に出回ったのは2012年。今回ファローが投稿した写真のほかに、ドンが片手にゾウの尻尾を、もう片手にナイフを持ってポーズを取った写真や、ドンとエリックが木に吊り下げたワニの両側に立っている写真などがあった。

一連の写真は激しい反発を招き、当時NBCで放送されていたトランプのリアリティー番組『セレブリティー・アプレンティス』のスポンサーのうち、少なくとも1社が降板した。

当時ドンはツイッター上の批判の声に対して、悪びれた様子もなくこう答えていた。「過激な動物愛護主義者に嫌われたからって、逃げも隠れもするつもりはない」

別のツイートには、こうも書いていた。「出回っている写真は僕が進んで提供したものではないが、恥じてもいない。僕はゲームとして狩猟をして、仕留めた獲物を食べる」

<参考記事>【写真特集】娯楽で殺されるライオンたち
<参考記事>【写真特集】絶滅危惧種が織りなす人間模様

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

タイ自動車生産、3月は前年比-23% ピックアップ

ビジネス

米500社、第1四半期増益率見通し上向く 好決算相

ビジネス

トヨタ、タイでEV試験運用 ピックアップトラック乗

ビジネス

独失業者数、今年は過去10年で最多に 景気低迷で=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中