最新記事

韓国事情

「ボイコットジャパン」、韓国の日本製品不買運動は過熱するブームの様相に

2019年8月9日(金)16時50分
佐々木和義

不買運動をめぐってさまざまな噂がかけめぐる

不買運動をめぐってはさまざまな噂を呼び、韓国では事業を行なっていない企業を取り上げたりするいっぽう、ターゲットとして噂が出たあと、除外された企業やブランドもある。

ユニクロ鐘路3街店に賃借人募集告知が掲示されると不買運動の影響という噂が広がりはじめた。賃貸契約の満期が近づき、建物オーナーと行った賃貸料の交渉が折り合わなかったことから撤収を決めたもので、また入居するショッピングプラザが閉店する九老店も撤収するが、不買運動で売上が急減したという風評が拡散している。

また、2012年に撤退したスバル自動車や2013年に代理店が販売を取りやめた三菱自動車、2017年に撤退したミスタードーナツも不買リストに掲載されている。

アサンダイソーは、店内放送で「韓国企業」をアピールし、不買対象から除外された。カルビーやワコール、感動卵、東亜大塚も素材から製造まですべてが韓国製という理由から除外され、ロッテはグルーバル企業、セブンイレブンとミニストップは小規模事業者という事由で除外されている。

混乱しつつ過熱するブームに

不買運動の主導者たちは日本製原料が0.1%でも含まれている製品は買わないと息巻くが、主要素材を日本製品に依存するサムスンのギャラクシーやLGのディスプレイ、現代自動車の電気自動車は対象には含まれない。

また、不買運動の影響も、韓国人社員のリストラが増えるだけだし、日本旅行のキャンセルも被害を被るのは韓国の旅行会社と韓国人従業員だと運動を批判する声も聞こえる。

運動を先導する人は、日本製カメラを構える新聞記者の前で拳を振り上げ、日本製テレビカメラに向かってパフォーマンスを繰り返す。自らの意思で運動に参加する人もいるが、周りの目を気にして国産品を選ぶ韓国人も多く、過熱するブームの様相を呈している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

インド総選挙、2回目の投票始まる 与党優位揺るがず

ワールド

米中関係の「マイナス要因」なお蓄積と中国外相、米国

ビジネス

デンソーの今期営業益予想87%増、政策保有株は全株

ワールド

トランプ氏、大学生のガザ攻撃反対は「とてつもないヘ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中