最新記事

ヨーロッパ

難民を助ける「英雄」女性船長を、イタリアが「犯罪者」と起訴

2019年6月17日(月)17時10分
シャンタル・ダシルバ

地中海で難民を救助してきたドイツ人船長ピア・クレンプ ARD-YouTube

地中海で難民を救助してきた「英雄」であるドイツ人船長が、違法行為を行ったとしてイタリアで裁かれようとしている。

起訴されているのは、地中海で難民救助活動をする非営利団体「シー・ウォッチ」の船長ピア・クレンプ(35)だ。彼女はこれまで、母国を逃れて地中海を渡ろうとする難民1000人以上を救助してきた。地中海を横断中に死亡する難民は、昨年だけで2200人を超える。

magperi190617italy-2.jpg

イタリアの港に到着し下船を待つ難民たち GUGLIELMO MANGIAPANE-REUTERS

しかし、イタリアの右派政権は国境を違法に越えようとする移民への処罰を厳格化しており、クレンプは違法移民を幇助したとして拘束、起訴された。有罪となれば、最長20年の刑と巨額の罰金を科される可能性がある。

一方で、多くの命を救ってきたクレンプを英雄と見なし、今度はクレンプを救おうという動きも広がっている。クレンプの釈放を求めるオンラインの署名活動には10万人以上がサインした。クレンプ本人も、国連の人道支援の方針に沿った活動を行ってきたと主張しており、有罪になれば欧州人権裁判所に提訴する意向を示している。

<2019年6月25日号掲載>

magSR190625issue-cover200.jpg
※6月25日号(6月18日発売)は「弾圧中国の限界」特集。ウイグルから香港、そして台湾へ――。強権政治を拡大し続ける共産党の落とし穴とは何か。香港デモと中国の限界に迫る。

ニュース速報

ビジネス

EXCLUSIVE-緩和必要なら短中期金利を「確実

ワールド

英国がEUに離脱延期申請、延期望まずとのジョンソン

ワールド

アングル:屋台もキャッシュレス、東南アで過熱 モバ

ワールド

英議会がEU離脱採決を先送り、ジョンソン首相は延期

MAGAZINE

特集:AI vs. 癌

2019-10・22号(10/16発売)

ゲノム解析と人工知能で最適な治療薬を発見する究極の癌治療が人類を「最後の敵」から救う日

人気ランキング

  • 1

    性行為を拒絶すると立ち退きも、家主ら告発

  • 2

    交尾をめぐって噛みつき合う、暴力まみれのサメの日常

  • 3

    未成年性的虐待の被告の大富豪が拘置所で怪死、米メディアが大騒ぎする理由

  • 4

    新EU離脱協定案はイギリス経済に「相当厳しい」内容…

  • 5

    韓国訪問中に消えた9人のベトナム外交団員 公安当局…

  • 6

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわか…

  • 7

    「歩くのが遅いと老化がすすむ」その兆候は40代半ば…

  • 8

    がん患者の42%が診断から2年で資産を使い果たす:米…

  • 9

    中国の探査機が月に持ち込んだ植物の種、ハエの卵...…

  • 10

    W杯アジア2次予選の北朝鮮vs韓国「無事に帰れたのは…

  • 1

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわかっていない

  • 2

    性行為を拒絶すると立ち退きも、家主ら告発

  • 3

    ヘイトに立ち向かったK-POPアイドル、ソルリ追悼写真集

  • 4

    中国の探査機が月に持ち込んだ植物の種、ハエの卵...…

  • 5

    韓国・文在寅の賃上げ政策が招いたこと──映画館からス…

  • 6

    交尾をめぐって噛みつき合う、暴力まみれのサメの日常

  • 7

    韓国訪問中に消えた9人のベトナム外交団員 公安当局…

  • 8

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 9

    未成年性的虐待の被告の大富豪が拘置所で怪死、米メ…

  • 10

    日本と韓国の危険なゲームが世界経済を殺す

  • 1

    韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が徐々に明らかに

  • 2

    イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

  • 3

    写真撮影で「怪しいOKサイン」を出したテーマパークのスタッフが解雇

  • 4

    「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったの…

  • 5

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわか…

  • 6

    繁殖を止めるために遺伝子組み換えされた蚊、自然界…

  • 7

    「独島が韓国の領土であるとの証拠は何もない」韓国…

  • 8

    米韓関係の険悪化も日本のせい⁉ 文在寅がまた不安な…

  • 9

    ハワイで旅行者がヒトの脳に寄生する寄生虫にあいつ…

  • 10

    コモドドラゴンの体内に「鎧(よろい)」があること…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月