最新記事

中国

5G界、一夜にして一変! 「トランプ勝利、Huawei片思い」に終わるのか

2019年4月18日(木)19時00分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

中華民国の時代に生まれ、中国でのあの革命戦争を経験し、餓死体の上で野宿して恐怖のあまり記憶喪失になりながら、八路軍に指示されるまま避難した先が朝鮮族の多い延吉だった。そこでまた朝鮮戦争を経験し、新中国誕生の中で、日本人として罵倒され自殺まで試みながら生き残ってきた。

そんな人間がいま執筆をして、言論弾圧をする中国に抵抗しながら、真相の分析に命を賭けて挑んでいく。たぶん、ここまでの歴史を背負いながら、なお執筆を続ける者はいないだろう。だからこそ、餓死せずに生き残った者としての使命感が私を執筆へと駆り立てるのだろう。

その毎日を繰り返しながら、今ようやく整合性のある分析に漕ぎ着けたのだ。

さあ、ひと休みしよう。

コーヒーの一杯でも飲もうか......。

そう思った時だった。

中国の新しいニュースを知らせるスマホの通知音が鳴った。

見れば「苹果与高通和解」(アップルとクァルコムが和解した)とあるではないか――!

なに――?!

ウソでしょ......?

慌ててパソコンに戻り、中国大陸のネットを開いて「苹果」と入力しただけで、すぐさま「苹果与高通和解」という選択フレーズが候補として上がってきた。

ああ、だめだ。ここまで来ているのか。

いやな予感を覚えながら、候補のフレーズをクリックすると、すでに2300万件以上ヒットするという熱気がネットに溢れていた。

中国は大きなショック

中央テレビ局CCTVではすでに放送したらしい。その結果を知らせる「央広網」にCCTVの見解が載っていた。中国共産党の機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」の電子版「環球網」は、この時点で何本も記事を発表していたし、中国共産党の内部情報を書いてきた「参考消息」も、「金融界」や「量子位」など、なかなか信用のあるサイトも、それぞれに事実関係と見解を発表していた。

前日まで「もしかしたら華為(Huawei)が、アップルに5G半導体を売るかもしれない」あるいは逆に「ひょっとしたらアップルが華為の5G半導体を買うかもしれない」という目も眩むような可能性が中国のネットに大きな期待感を抱かせていただけに、この急転直下の「和解」が、どれほど大きなショックを与えたかは、想像に難くない。

「一夜之間、5G変了天――!」 (一夜の間に、5G界は一変してしまった!)

この文言が、これらの情報に共通した「ショック」であったと思う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日仏、円滑化協定締結に向けた協議開始で合意 パリで

ワールド

NATO、加盟国へのロシアのハイブリッド攻撃を「深

ビジネス

米製造業新規受注、3月は前月比1.6%増 予想と一

ワールド

暴力的な抗議は容認されず、バイデン氏 米大学の反戦
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中