ローマ法王インタビュー トランプの移民親子引き離しを批判「ポピュリズムで解決せず」
教会の未来は市井にあり
2013年の就任以降、西側諸国の多くで政治が経済ナショナリズムの様相を強めるなかで、法王はカトリック教義のリベラルな解釈を推進してきた。
法王は、特にセクシュアリティや離婚したカトリック教徒に対する寛容な扱いを巡り、カトリック教会内の保守派聖職者から反発を受けてきた。だが法王は、時に自分に対して「汚い」発言をする保守派のために祈っていると述べた。
81歳になるアルゼンチン出身の法王は自分の指導方針を擁護し、カトリック教会の未来は「街角にある」と述べた。
法王はまた、女性の方が紛争解決に優れているとして、バチカンの主要部門にもっと女性を起用したいと述べた。一方で、それが「スカートをはいたマスキュリニズム」になってはいけないとも述べた。
法王は、背中の症状からくる足の痛みを除けば健康状態は良好だと述べた。前任の法王ベネディクトが2013年にしたように、健康状態を理由にいつか退任することがあるかもしれないとした就任直後の発言を繰り返しつつも、法王は「今は、まったくそれは考えていない」と述べた。
法王は、米国や欧州で議論がさかんな移民の問題について時間を割いて話した。イタリアのポピュリスト新政権は、イタリアを目指して地中海を渡ろうとした移民を救助した非政府船の受け入れを拒否。船の1つは、移民600人以上をスペインに上陸させる結果となった。
イタリア内相で右派政党「同盟」を率いるサルビーニ氏は、過去に法王を批判し、もし法王が移民のことを気にかけるならバチカンで受け入れるべきだと発言している。
「やってくる人々を拒否することはできないと思う。受け入れ、支援し、ともに歩き、どこに落ち着かせるか欧州全体で考えるべきだ」と、法王は指摘。
「それに取り組んでいる政府もあり、(移民の)人々は最善の方法で定着すべきだ。病的な反応をすることは、解決策ではない」と法王は話し、「ポピュリズムでは解決できない。解決するのは、受容と研究と分別だ」と、付け加えた。