最新記事

リベンジポルノ

フェイスブック、リベンジポルノ対策にヌード写真の提出を呼びかけ

2018年5月28日(月)20時00分
ジェイソン・マードック

衝撃は衝撃をもって制すのがフェイスブック流? redhumv-iStock.

<AIが画像照合テクノロジーを使って問題投稿をブロックしてくれるというけれど、そんなやり方しかないのだろうか>

米フェイスブックが、5月下旬から「リベンジポルノ」対策を強化する。別れた恋人や配偶者が、報復(リベンジ)のために相手のヌード写真などを勝手にネットで公開するのがリベンジポルノ。対策の対象になるのはフェイスブック、写真共有アプリのインスタグラム、通信アプリ「メッセンジャー」だ。

昨年から実験を始めたその防止策がふるっている。リベンジされそうな心当たりがあるユーザーは、危なそうな写真や動画をあらかじめフェイスブック指定の場所に暗号化して送る、というのだ。すると、元カレや元カノがその写真を投稿してリベンジしようとしても、AI(人工知能)が画像照合テクノロジーを使ってブロックしてくれるという。

ユーザーが送ったヌード写真を長期間取っておいたりすることはない、とフェイスブックは強調する。ユーザーの写真から「指紋」のように本人を特定できるデータ(「ハッシュ」)だけを取り出せば、あとは削除するという。

フェイスブックのグローバル・セーフティー部門の責任者アンティゴーン・デービスが5月22日に発表したところによれば、同社は現在、オーストラリア、カナダ、イギリス、アメリカの被害者保護団体と緊密に連携し、性的な画像が本人の同意なく拡散される被害を阻止しようとしている。

人権団体からは批判も

「本人の許可なく性的な写真を拡散するのは、屈辱的で破壊的な行為だ。リベンジポルノによる虐待から被害者を守るため、私たちに出来ることは何でもしたい」と、デービスはフェイスブックに投稿した。「そのためにオンライン上の暴力と戦う団体と提携し、ユーザーが安心して画像を提出できるようにした」

フェイスブックの提携先は、オーストラリアのeセーフティー監督官事務所、米サイバー市民権イニシアティブ、全米DV 撲滅ネットワーク(NNEDV)、英リベンジポルノ・ヘルプライン、YWCAカナダなどだ。

リベンジポルノの被害を受ける恐れがあると思うユーザーは、これらの提携先経由でも画像を提出できる。画像が届くと、フェイスブックはそれらの画像がアップされたりシェアされたりするのを禁じる加工をする。画像からハッシュが作られ次第ユーザーは通知を受け、画像も1週間以内にフェイスブックのサーバーから削除される。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中