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韓国事情

混合診療と過剰な医療サービスを提供──韓国のビジネス化する医療

2018年4月2日(月)18時20分
佐々木和義

熾烈な保険会社の競争が高額な検査や治療の温床に

いっぽう韓国では、大規模病院はもとより個人病院でも混合診療が行われている。症状の早期改善だけでなく、医師は患者が負担する医療費のほかに製薬メーカーなどからも報酬を受け取ることがある。

健康保険適用外の検査や医療費を民間保険でカバーされる患者は負担を気にせず、混合診療を受け入れる。

民間保険各社は医療保険を積極的に販売しており、なかでも免責額を超える入院費や通院費を全額補填する実損填補型の医療保険が人気だ。骨折時やギプスを施術した際に見舞金を支払う特約などがあり、軽い骨折でもギプスを施している例を目にする。

保険会社が全額負担すると知って過剰な検査や治療を施す病院があり、熾烈な保険会社間の競争が高額な検査や治療の温床にもなっているのだ。

医療のビジネス化が進む韓国

評価療養にとどまらず、治験ビジネスに取り組んでいる大規模病院がある。新薬開発は認可を取得しようとする国籍者の治験が必須だが、在韓米国人や在韓日本人など韓国に居住する外国人を募集し、国内外の製薬メーカーから新薬の治験を請け負っている。国外メーカーにとっても最新の医療機器など設備が整っている韓国の大規模病院は治験を委託しやすいのだという。

ソウルの大規模病院にはレストランやカフェや百貨店も出店し、インフォーメーションデスクはコンシェルジュ並みのサービスを提供するなど、医療サービスを提供するホテルの様相を呈するなど、韓国では医療のビジネス化がますます進んでいる。

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