最新記事

投資

ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワンを予想

2017年12月30日(土)14時36分

12月12日、大手銀行や資産運用会社などが示す来年の経済・市場展望において、蓋然性が低いものの起きればずっと影響が甚大ないわゆる「ブラックスワン」として、米国株の25%急落や、ビットコインが1000ドルまで暴落するといった事象が挙げられている。シドニーで2013年2月撮影(2017年 ロイター/Daniel Munoz)

大手銀行や資産運用会社などが示す来年の経済・市場展望において、風変りとまでは言えないものの、ひときわ目を引くのは、米国債のイールドカーブの完全フラット化やクレジット市場の急激な調整、米失業率が50年ぶりの低水準になるといったところだ。

さらに興味深いのは、蓋然性が低いものの起きればずっと影響が甚大ないわゆる「ブラックスワン」だ。具体的には米連邦準備理事会(FRB)の独立性剥奪や、米国株の25%急落、ビットコインが1000ドルまで暴落するといった事象が挙げられている。

来年に関するいくつかの大胆な予想や、妥当と考えられるリスク、さらにはブラックスワンを以下に記す。

大胆な予想

1:クレジット市場の急激な調整

「ダモクレスの剣はクレジット市場の上に垂れ下がっている(危機が迫っているという意味)。2年にわたる値上がりを経て、市場はあらゆる指標から見て割高化している」と指摘するのはソシエテ・ジェネラルのクレジット・アナリスト陣だ。

それによるとクレジット市場は昨年の平均的な水準から現在は非常に割高な地点まで達した。足元の格付けやデフォルト(債務不履行)の動きはかなり心強く見えるとはいえ、時間の経過とともに投資家が2019年の米国の成長減速を織り込み始めると、流れは一変するという。

特に中国の不動産市場のさらなる地合い悪化と、借り入れ比率と広告への依存が高過ぎる米ハイテク企業の行方が懸念されている。

2:米国債イールドカーブの完全なフラット化

モルガン・スタンレーのストラテジスト陣は、来年9月までに短期ゾーンから30年までのイールドカーブが、2.00─2.25%となっているはずのフェデラルファンド(FF)金利と同じ水準になると予想する。

彼らは、1980年以降すべて景気後退の前兆となってきた逆イールドを見込んでいるわけではない。むしろ類似性があると分析しているのは2005年終盤で、当時は成長率が3%を超え、イールドカーブは全面的にフラット化した。市場と経済が下向きになったのはその2年後だった。

今も成長率は3%を上回っており、イールドカーブのフラット化が急速に進行。長短スプレッドはわずか50ベーシスポイント(bp)程度しかない。

イールドカーブは1998年6月にはフラット化し、ちょうど1年半後に逆イールド化してハイテクバブルがはじけ、2001年の景気後退につながった。では今回のフラット化がスプレッドゼロ近辺で止まるのだろうか。歴史を見る限り、そんな展開は滅多にない。

3:米失業率が3.7%に

ゴールドマン・サックスのエコノミスト陣は、米失業率が3.7%と1960年代以降の最低水準を記録するとみている。10年近くに及ぶ労働市場の改善が鈍る気配がないからだ。

ゴールドマンは、現在の4.1%でも既にFRBが持続可能とみなす水準より低いと指摘。「われわれの見通しは、米国の労働市場が第2次世界大戦後最も軟調なところから屈指の引き締まり局面へと移っていく有様を示すことになる」と述べた。

米労働市場の拡大が9年目に入っている点を踏まえ、失業率は底を打ってじりじりと上昇を始めるとの予想が出てもおかしくはない。しかしゴールドマンは、失業率が2019年にはさらに3.5%まで下がると見込んでいる。

MAGAZINE

特集:間違いだらけのAI論

2018-12・18号(12/11発売)

AI信奉者が陥る「ソロー・パラドックスの罠」── 過大評価と盲信で見失う人工知能の未来とチャンス

人気ランキング

  • 1

    ミス・ユニバース場外戦 米国代表「英語話せない」とカンボジア代表を嘲笑し大炎上

  • 2

    これはひどい! ミス・ユニバース代表の「米朝首脳会談ドレス」に非難ごうごう

  • 3

    「中国はクソ」 アリババにオワコンにされたドルチェ&ガッバーナの損失は...?

  • 4

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになっ…

  • 5

    邦人4人に禁固刑判決のインドネシア 金採掘場を視察…

  • 6

    【動画】ロシアの「最先端ロボット」には......実は…

  • 7

    フランス人の自信の秘密は「性教育」にあった!? 実…

  • 8

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 9

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 10

    「人肉は食べ飽きた」男、終身刑に

  • 1

    ミス・ユニバース場外戦 米国代表「英語話せない」とカンボジア代表を嘲笑し大炎上

  • 2

    これはひどい! ミス・ユニバース代表の「米朝首脳会談ドレス」に非難ごうごう

  • 3

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 4

    「中国はクソ」 アリババにオワコンにされたドルチ…

  • 5

    【動画】ロシアの「最先端ロボット」には......実は…

  • 6

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになっ…

  • 7

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 8

    フランス人の自信の秘密は「性教育」にあった!? 実…

  • 9

    「人肉は食べ飽きた」男、終身刑に

  • 10

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 1

    ミス・ユニバース場外戦 米国代表「英語話せない」とカンボジア代表を嘲笑し大炎上

  • 2

    これはひどい! ミス・ユニバース代表の「米朝首脳会談ドレス」に非難ごうごう

  • 3

    生きるために自分の足を噛みちぎった犬ルークの強さ

  • 4

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになっ…

  • 5

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 6

    恋人を殺して食べたロシア人の男、詩で無罪を訴え

  • 7

    フランス人の自信の秘密は「性教育」にあった!? 実…

  • 8

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

  • 9

    カルロス・ゴーン逮捕、アメリカでどう報じられたか

  • 10

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

ニューズウィーク日本版特別編集 レゴのすべて

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月