最新記事

アメリカ政治

イバンカ・トランプ夫妻、「無給の政府職員」なのに3カ月の収入5.5億円!

2017年7月24日(月)18時43分
トム・ポーター

最強の2人。トランプの長女イバンカ(右)と娘婿のジャレッド・クシュナー Alessandro Bianchi-REUTERS

<トランプの長女イバンカと娘婿クシュナーの最新の資産報告書が公開された。これほどの資産家だったとは改めてびっくり>

ドナルド・トランプ米大統領の長女イバンカと娘婿で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナーの最新の資産報告書が7月21日に公開され、夫妻の豊かさが改めて注目を集めている。企業所有と投資による保有資産は7億6200万ドルで、前回の資産公開時より1000万ドル以上増えている。

クシュナーの報告書は、4カ月前の報告書の改訂版で、前回明らかにされなかった夫妻の最も高額の資産や、イバンカが新たに連邦政府に申告した資産が詳しく記載されている。

【参考記事】トランプの娘婿クシュナーが大統領上級顧問になる悪夢

米紙ワシントン・ポストが掲載した公開文書によれば、クシュナーが上級顧問に就任した1月の時点で、企業266社の役職を退任し、保有していた複数の不動産関連企業の株式を売却した。イバンカも3月に大統領補佐官に就任した時、292社の役職を辞任した。そして、公職に就いている間は自分たちの会社の日常業務から離れる、と宣言した。

最新の報告書では、クシュナーが前回の報告書で申告しなかった77件の投資が新たに公開された。

【参考記事】トランプファミリーの異常な「セレブ」生活

うなる資産と美術品

以下はその内訳だ。

■クシュナーは不動産プロジェクトのためのクラウドソーシングサイト、カドレ(Cadre)に2500万ドルの株式を保有している。

■夫妻が保有する美術品の価値は総額2500万ドルに上る。連邦法は、投資として購入した美術品のみを資産公開に含めるよう定めているため、実際に保有する美術品の価値はもっと大きい可能性がある。

■イバンカの資産のうち6600万ドルは、自分のファッションブランドビジネスやワシントンにある高級ホテル「トランプ・インターナショナル・ホテル」に保有する株式、不動産からきている。

報告書から、夫妻は保有する資産から莫大な収入を得ていることが分かる。イバンカは無給の政府職員となり資産を信託に預け入れた1月から3月の間に、500万ドルの収入があった。3月から5月にかけては100万ドルの収入があった。

イバンカは父親トランプが経営していた不動産会社トランプ・オーガニゼーションの役職を1月に辞任後、同社から250万ドルの報酬を受け取った。

トランプ一族のビジネスは広範かつ多岐に渡っており、利益相反の可能性があるとして批判にさらされている。

一族の弁護士を務めるジェイミー・ゴアリックはワシントン・ポストに声明を発表し、クシュナーとイバンカは「私人から連邦政府職員に移行する過程で、1つずつ必要な手続きを踏んできた」と言った。「米政府倫理局はジャレッド・クシュナーの資産報告書を承認した。クシュナーが連邦政府の倫理規定を順守しているというお墨付きだ」

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国新疆から撤退を、米労働省高官が企業に呼びかけ 

ビジネス

米8紙、オープンAIとマイクロソフト提訴 著作権侵

ビジネス

米研究開発関連控除、国際課税ルールの適用外求め協議

ビジネス

AI用サーバーの米スーパー・マイクロ、四半期売上高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 5

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 6

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 7

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 10

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中