最新記事

スポーツカー

ランボルギーニ・アヴェンタドールが魅せた最新4WSの実力

2017年4月14日(金)15時20分
青木雄介  ※Pen Onlineより転載

空力特性において意味のないデザインはひとつとしてない、無駄のないフォルム。サスペンションは磁気粘性サスペンションを採用。4つの走行モードに応じてセッティングを変化させます。

昨年12月に発表されたランボルギーニのフラッグシップ、アヴェンタドールSの試乗会でオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットへ行ってきました。メルボルン市内から100kmあまり離れたこのサーキットへの送迎はヘリコプターという、ランボルギーニの"さりげなさ"には度肝を抜かれましたが、新しいアヴェンタドールSの走行性能はその驚きの上をいくものでした。

【参考記事】アロマ豊かな「ソーヴィニヨン・ブラン」に出合う、カリフォルニアワインの旅。【前編】


まずデザインはノーズからルーフ、リアまで美しい流線をえがく近年のランボルギーニの基本フォーマットを踏襲しながらも、フロントフェイスはより攻撃的に、かつ空力性能を大幅に高めています。フロントスポイラーとリアディフューザーの形状変更や3つの形態変化を行うリアウィングの効果により、先代モデルに比して130%ものダウンフォースを得る結果に! エアダクトやリヤのホイールアーチの形状を往年のカウンタックから着想しているということですが、全体的に見てもランボルギーニのランボルギーニ化という核心がより鮮明に打ち出されている印象です。誰が見たってランボルギーニ。ウラカンと並べるとその威容はさらに増します。

【参考記事】アロマ豊かな「ソーヴィニヨン・ブラン」に出合う、カリフォルニアワインの旅。【後編】

エンジンは6.5リッターの自然吸気によるV12気筒エンジンで740馬力をはじき出します。このパワーを制御し、操舵するのがランボルギーニとして初採用された4輪操舵システムです。速度とフロントのステアリング角度に応じて、リアホイールも操舵されることで低速、高速を問わずコーナーで抜群の安定性を誇ります。試乗した日はあいにくの雨模様でしたが、何の不安もなくコーナーに飛び込めたのはひとえにこの4輪操舵システムのおかげと言えるでしょう。80年代に開発され、一時は見向きもされなくなった自動車技術がこうやって復活しているのには、ようやくテクノロジーの進化がランボルギーニの認める水準まであがってきたことを示しています。

Lamborghini_PhillipIsland_02.jpg

搭載される6.5リッターV12型自然吸気エンジンは最大8,500rpmまで回ります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

リオ・ティント、無人運転の鉄鉱石列車が衝突・脱線 

ビジネス

ソフトバンクGの1―3月期純利益2310億円、2四

ワールド

アングル:ドイツで政治家標的の暴行事件急増、背景に

ビジネス

お知らせー重複記事を削除します
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中