最新記事

韓国

朴槿恵前大統領が検察に出頭「誠実に聴取に応じます」

2017年3月21日(火)18時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

検察に出頭したパク前大統領 REUTERS - Kim Hong-Ji

<朴槿恵前大統領が21日朝、検察の要請に応えて初めて取り調べに応じ、ソウル中央検察に出頭した。一連の疑惑について、これまで大統領特権を盾に検察の調査を拒否してきたが、大統領職を罷免されたことで、捜査に協力せざる得なくなった>


21日午前9時24分、ソウル市瑞草区にあるソウル中央地検に朴槿恵(以下、パク・クネ)前大統領が出頭した。友人のチェ・スンシル容疑者との一連の疑惑が発覚してから半年目にしてようやく検察の取り調べを受けることになった。

これまで検察と特別検察が数回にわたり聴取要請をしてきたが、現職大統領は起訴されないという特権を盾に聴取を拒否してきたパク前大統領。だが、3月10日に憲法裁判所により大統領職を罷免され、一般人となったことで取り調べに応じることにした。

検察に到着したパク前大統領は、200人あまりの取材陣を前に「国民の皆さんに申し訳なく思っています。誠実に聴取に応じます」とだけ語り、その後の取材陣の質問には答えることなく検察庁舎に入っていった。

韓国メディアNEWS1などによれば、今回検察がパク大統領に対して聴取する一連の容疑は13にものぼるが、中心となるのは、1)サムスンなどをはじめとした大企業からの賄賂、2)KTやKEBハナ銀行などに対しチェ・スンシル容疑者の側近を採用するように求めた職権乱用、3)チェ・スンシル容疑者への公務上の秘密の漏洩、この3つに集約されるという。

検察の特別捜査本部によると、パク前大統領は中央地検事務局長の案内で、10階にある休憩室にいったん入り、調査スケジュールと方針について説明を受け、9時35分から1001号室で本格的な取り調べを受けているという。

聴取は政府高官らによる事件の経験が豊富なイ・ウォンソク特殊1部長、ハン・ウンジェ刑事8部長が行い、パク前大統領側は、ユ・ヨウンハ弁護士が同席しているほか、ほかに5人の弁護士が待機して交代で聴取に付きそう予定だ。

先に拘束されたサムスン電子のイ・ジェヨン容疑者の取り調べは最長で15時間かかったときもあり、パク前大統領も12時に昼食、午後5時半から夕食の休憩をとり、この後、夜遅くまで続くものと検察側が発表している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中