最新記事

監督インタビュー

『ファンタスティック・ビースト』で始まる新たな魔法の冒険

2016年11月25日(金)16時00分
大橋 希(本誌記者)

beastsinter02.jpg

「7年間過ごしたホグワーツから離れられるのはちょっと嬉しかった」と語るデービッド・イエーツ監督 © 2016 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. HARRY POTTER AND FANTASTIC BEASTS PUBLISHING RIGHTS © JKR


――レッドメインもヒロインのキャサリン・ウォーターストンも、魔法の杖を使うのが難しかったと言っている。大人は、子供のようにいかないのだろうか。

 彼らには杖のレッスンを受けてもらった。そこで私がアドバイスしたのは、魔法の杖は自分自身の延長であるということ。自分が思っていること、考えていることが腕を通して杖につたわる。そういう思いでやってほしい、と。もう1つは、手首をちょっと緩めて柔らかく使うこと。エディは比較的早くこつをつかんだが、キャサリンは時間がかかった。長身で手足も長いから、姿勢のバランスがうまく取れなかったみたいだ。

――役作りについて、レッドメインとどんな話をしたか。

 エディには何カ月もかけて、肉体面、精神面で準備をしてもらった。ニュートは他人とうまくコミュニケーションできない複雑な役でもあるので、アレクサンドラ・レイノルズという動作のコーチに指導をお願いした。彼女は、エディがホーキング博士を演じた『博士と彼女のセオリー』から一緒に仕事をしている人。内向的な人物を演じるのに必要な動きを、エディとともに作り上げていった。

 私たちもニュートというキャラクターを、撮影中も編集中もずっと探り続けていた。次の作品でもその探求は続くから、物語が進むにつれてエディの魅力がもっと出てくると思うよ。

【参考記事】『ファンタスティック・ビースト』で帰って来たハリポタの魔法の世界

――5部作になるそうだが、物語の構想は聞いている?

 5週間前にロンドンで私とスティーブとジョーで会い、彼女がおおよその展開を教えてくれた。とても野心的な内容で、彼女自身もわくわくしていた。でも詳細は聞いていない。

 どんな内容になるのかあまり話さないことが重要だと思っている。これまでは原作本があって何が起こるかみんな知っていたが、新シリーズでは映画になるまで誰も内容を知らない。だからできるだけ長い間、謎にしておきたいんだ。

――お気に入りの場面を挙げるとしたら?

 ニュートとノーマジ(人間)のジェイコブ、ティナとクイニーの魔女姉妹が食卓を囲みながら、人生について話をする場面。ニュートとティナはぎこちなく、恥ずかしがって困っている。ジェイコブとクイニーはとても嬉しそうで、恋に落ちていく。この2組の対比がすごく深いし、面白い。4人のキャラクターがお互いを知るところだ。



 <特別編集ムック発売のお知らせ>
 好評発売中!
 ニューズウィーク日本版 SPECIAL EDITION
 『ハリー・ポッター』魔法と冒険の20年
 CCCメディアハウス

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ソニー、米パラマウントに260億ドルで買収提案 ア

ビジネス

ドル/円、152円台に下落 週初から3%超の円高

ワールド

イスラエルとの貿易全面停止、トルコ ガザの人道状況

ワールド

アングル:1ドルショップに光と陰、犯罪化回避へ米で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中