最新記事

スレッズ

メタの「スレッズ」は本家を滅ぼす...そもそも「ツイッターのユーザー数は決して多くない」と専門家

2023年7月10日(月)12時30分
ファトマ・ハレド
スレッズ

メタの新サービス「スレッズ」はツイッター対抗プラットフォームの決定版? PHOTO ILLUSTRATION BY DADO RUVICーREUTERS

<最大の強みはインスタグラムとの連携>

SNS大手メタ(旧フェイスブック)が7月5日に提供開始したツイッター対抗の新サービス「スレッズ」。昨年10月にイーロン・マスクが買収したツイッターに批判的なユーザーを取り込み、最大の競合相手に成長する可能性があると、一部の専門家は言う。

メタのマーク・ザッカーバーグCEOは6日、公開初日に3000万人が登録したと発表した。スレッズはツイッターとよく似たインターフェースで、ユーザーは同じように投稿や引用ができ、「いいね!」が付けられる。文字数の制限は500文字まで(写真、リンク、5分以内の動画も含む)。ほかのSNSプラットフォームと投稿を共有できる。

スレッズのアプリは、インスタグラムのアカウントでもログイン可能。投稿はインスタのストーリーと直接シェアできる。さらに、インスタの認証アカウントはスレッズでも自動的に認証される。

この新サービスはツイッター上でも話題になり、6日午後の時点で約300万件のツイートがあった。ツイッターの運営会社Xのリンダ・ヤッカリーノCEOは新たなライバルの登場を認めた上で、ツイッターのユーザーコミュニティーは「かけがえのない」ものであり、「複製」は不可能だと述べた。

メタは大規模なユーザーベースを構築したい考えで、世界中で20億人を超えるインスタのアクティブユーザーがスレッズに参加することを期待している(ツイッターは約2億5000万人)。

ツイッターやブルースカイ、マストドン、トランプ前米大統領のトゥルース・ソーシャルといったほかのツイッター対抗サービスに対する最大の強みは、インスタ、フェイスブック、ワッツアップの親会社メタの存在だ。

スレッズは既存SNSの大規模なユーザーベースを当てにできると、複数のSNSを横断する形で成長機会を探る企業を支援するハイキー・エンタープライゼズのルーク・リンツCEOは言う。「超大手の上場企業メタがバックについているのだから、事実上無尽蔵の資金がある」

一方、米シラキュース大学情報学大学院のジェニファー・ストロマーガリー教授は、「タイムリーで誰もがアクセス可能な情報へのニーズを満たすという点で、ツイッターに取って代わる可能性がある」と指摘する。

スレッズはアメリカ人の40%以上が利用するインスタと連携しているので、ユーザーを大きく増やすだろうと、ストロマーガリーは予測する。ツイッターはもともと登録ユーザー数は決して多くない。全盛期でもアメリカ人の約23%前後だった。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中