最新記事
キャリア

「教えてもらって当たり前」「チヤホヤされて勘違い」そんな新入社員を潰さない方法

2024年4月4日(木)18時50分
関 教宏 ※経営ノウハウの泉より転載
新入社員

chaponta-shutterstock

<苦労して人材を採用したのに、蓋を開けてみれば「思うように育たない」「少し強くいっただけですぐに辞めてしまう」そんな悩みは多い。成長を支援し定着を促進するには、どうすればいいか?>

事業環境もさることながら、採用の市場もどんどん厳しくなり、今まで以上に人員不足も叫ばれています。

つまり、そもそも人を採用することが難しくなっているということです。「もし辞めたらまた採用すればよい。辞めてしまうのは仕方ない」という考えは通用しなくなっています。

ひと昔前まではそういった考えでも成り立っていたかもしません。以前の考えから変わっていない現場のマネージャーからすれば「もっと適性のある人材を採用してほしい」であったり、「人事側でもっとちゃんと教育してほしい」と思うかもしれません。

なんとか苦労して期待できる人材を採用したものの、蓋を開けてみれば「思うように育たない」「少し強くいっただけですぐに辞めてしまう」といったお悩みをよく耳にします。

今回は新入社員の成長支援と定着を促進するための考え方、実践方法を2回に分けて解説します。

入社後に新入社員がつまづくこと

newsweekjp_20240404094328.png

まず、上の図を見ながら新入社員が入社後にどのようなことでつまづくのかを見ていきます。

入社後、新入社員は社会人として覚えることがたくさんあります。慣れないなかでも組織の一員として溶け込めるように、さまざまな人と関係を築こうとしながらあっという間に半年がたち、段々と入社前のイメージとのギャップも感じ始めます。

そうして1年が経ち、初めての後輩が入ってくる時期がやってきます。仕事を抱え込んでしまったり、仕事の意義が見出せずに悩むなど、新たな課題に向き合いながらさらなる成長を遂げていきます。

このように、時期ごとの課題に対して、きちんと体制を築いて対応することでつまづきを最小限に抑え、成長を後押しできるようになります。

(参考記事)パワハラと業務命令の違いは?ハラッサーにならないための方法を弁護士が解説

新入社員の退職リスクを高めてしまう要因3つ

newsweekjp_20240404094347.png

一方で、つまづきに対して具体的な対応をしないでいると、上の図の3つの要因によって新入社員の退職リスクを高めることになります。

こちらは筆者が新入社員の早期離職に関する相談にのる場合に注目している内容です。

■G:ギャップ

入社前イメージと入社後の現実のギャップ。つまり、「こんなはずではなかった」というものです。

■R:リレーション

職場での人間関係に悩んでいないか、もしくは「もうこの人たちとは無理だ」という諦めの境地に入ってしまっていないかというものです。

■P:プレッシャー

これはプレッシャーの有無をいっているのではなく、プレッシャーが適正なものかという意味です。重すぎても軽すぎてもリスクになります。重すぎて潰れてしまうのはもちろんですが、気をつかい過ぎて負荷を軽くしても持て余してしまい、「今の仕事が成長につながるだろうか」と不安を抱いてしまいます。

さまざまなところで実施している新人社員の退職理由についての調査を見ても、「入社前とのギャップや人間関係、仕事が自分に合っていないのではないか?」といったことがとても多いです。

先ほどお話しした「入社後に新入社員がつまづきそうなこと」にも、このGRPの要素が入っていました。そして、このGRPに最も大きな影響を与えるのが周囲の関わり方です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、20万8000件と横ばい 4月

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中