最新記事

経営

「社員が辞める前の兆候」を心理カウンセラーが解説、離職は見抜けるか?

2022年4月28日(木)11時20分
阿部田みほ ※経営ノウハウの泉より転載

■2:将来の話を周りにしなくなった

普段から将来の話をしていた人がしなくなった場合、会社に対して絶望しているサインです。「この会社にいても自分の未来が見えない」と思っている可能性があります。

例えば、新入社員として入社して「絶対1番早く昇進します」「〇年後までにはこの部署に行きたいんです」と明確に言っていた人がそういうことを口にしなくなった場合などです。

この場合、会社側からすると「現在の業務や部署に納得して取り組んでくれたのかな」という捉え方もできるでしょう。

ですが、もしかしたらモヤモヤして本人の中で諦めている可能性もあるので注意が必要です。

■3:会社愛が強い社員の態度が変わった

会社のことが好きなのは良いことです。しかし、過度なロイヤリティを会社に示す人はいきなり会社を辞めることも多いです。

感情が高まって「この会社は本当に最高です」「社長はあこがれです」「今配属されているこのチームが大好きなんです」と頻繁に口にしたり、態度に示したりしている場合は、会社やチームに高い理想を抱いている可能性があります。

これは外部の環境や人間に依存しすぎているサインです。会社の方針が変わったり人事異動があると心が折れてしまう可能性が高いです。理想的な環境だから働くということは、理想的な環境でなくなれば辞めるということにつながるためです。

特に注意したいのが、まだ入社して日が浅いのに、会社やチームが好きなことをあからさまに態度で示す社員です。また、会社愛が強く、社長のことも慕っていた中堅社員が、唐突に退職するケースも耳にします。

離職前の兆候として、情熱のあった言動が落ち着いたり、「あの時は良かった」などと過去や他社のことを引き合いに出す場合も注意したほうがよいでしょう。

離職する兆候がない人は、軽はずみに「この会社が最高だ」とは言いません。その代わり、どんな状況であっても「自分が最高の職場にしていくんだ」「自分の力でこの会社を良くしていくんだ」と考えています。

■4:成長意欲が強くなりすぎている

そして、4つ目の兆候が、成長意欲が強くなりすぎている時です。これは自分が成長することしか考えていないという意味です。成長意欲があることは素晴らしいことですが、成長そのものが働く全てのモチベーションになっている場合は、辞める兆候と捉えて良いでしょう。

なぜなら、会社を自分のスキルアップやキャリアアップのための踏み台としか思っていない可能性があるからです。これは、裏返せば「自分の成長につながらない」と判断したら、途端に離職に傾いていく可能性があることを示しています。少しでも自分がやりたくない仕事を任せられると、面談時に「これは自分が本当にやりたい仕事とは違います」と言い出す可能性があります。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン大統領と外相搭乗のヘリが山中で不時着、安否不

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 6

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 7

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 8

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中