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理解を求めるか、興味をもたせるか、「説明」は状況によって「型」を使い分けよ

2022年4月28日(木)17時26分
flier編集部

犬塚 次は「双方向を意識する」ということです。オンラインで話しているとどうしても一方通行になり、相手が会話に入ってきづらいものです。また、同じ場にいないので、聞く側は他人事に感じてしまいます。

プレゼンで、「何かご不明点はありますか?」といったフワッとした質問を投げかけても、相手からなかなか返事が返ってこない。こんなときは、もう少しニーズや悩みを掘り下げたツッコミを入れてみましょう。例えば「ここまでが私たちの仮説ですが、実際に現場でどんなことが起こっていますでしょうか?」と言うことで、相手は何かしらの答えを作ってくれます。

相手から質問を受けたときも、適切なリアクションが必要です。まずは相手の質問の意図を確認して、回答します。その後、理由や根拠、具体例で補足をし、最後にその回答で質問の内容を満たせたかどうかを相手に確認する。そうすれば、双方向のインタラクションが生まれます。

オンライン上だと話している側は自分の世界に入ってしまいがちなので、常に相手を見ながら双方向を意識していくことが大事です。

井手 確かにオンラインだと完全に話す側と聞く側に分かれてしまう印象があります。それから「質問ありますか?」と聞かれても本当に答えづらいですよね。そこがもう少し答えやすい空気感になることでキャッチボールが始まるというのはよくわかります。

犬塚 質問が出にくい空気を感じたら、「チャットに書き込んでください」というのもアリだと思います。「話す」ことに限定せず「書く」方にシフトすることで情報を引き出してあげるというのも、効果的なテクニックです。詳しくは本書の第4章「質問回答の型」で解説しています。

井手 それでは最後3つ目のポイントをお願いいたします。

犬塚 「次回に繋がる導線を張る」ということです。オンライン商談は終わった後の余韻が残りにくいんです。急にバツンと切れて、現実世界に戻される感覚は誰もが感じていると思います。

ビジネスのポイントは相手との関係性を継続することだと考えていますが、この余韻のなさによって関係性の継続が難しくなっているんです。

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