最新記事

スター・ウォーズ

「ミレニアム・ファルコン」を作った日本人、「地道」に進んだ成功への道

2021年10月12日(火)18時47分
flier編集部
成田昌隆

成田昌隆氏 Masataka Narita

<「スター・ウォーズ」のCG制作者・成田昌隆氏は、45歳で証券マンから映像の世界に転身。決して順風満帆だったわけではない挑戦を振り返る>

※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

23年間勤めた会社を辞め、背水の陣で夢へとひた走る――。誰にでもできる芸当ではありませんが、本書『ミレニアム・ファルコンを作った男』の著者、成田昌隆さんはそれを見事に成し遂げてきました。

大手証券のニューヨーク事務所長から、CGアーティストへと転身したのは45歳のとき。うまくいく確信はなかったものの、一途に自分を信じ、成功を掴み取りました。そこに至るまでの苦悩や挫折、葛藤が本書には凝縮されています。

今回、本書に込めた思いや今後の展望についてインタビューで伺いました。いつか手が震えて作業できなくなる日が来るまではモデリングを続けたいという成田さん。静かで落ち着いた語り口の半面、語られる言葉はエネルギーに満ち溢れていました。

地道な努力

── このたびは『ミレニアム・ファルコンを作った男』の刊行、おめでとうございます。ご著書にはどのような思いを込められましたか。

ありがとうございます。これは『スター・ウォーズ』のCGアーティストによる舞台裏の秘話ではありません。人生半ばにして一念発起し、憧れていた職業に就くという一連の過程を、忠実に描きました。「この人はこういうやり方で夢を叶えたんだ」という参考にしていただければという思いで、半生を振り返りました。

これまでNHKの番組や各種メディアにも取り上げていただきましたが、紙幅の関係などで、うまく成功した結果を強調してかっこよく編集してくださり、「すごい人」のように映っていました。ただ、そうした印象だと「そんな人生、私には無理」と思われてしまいそうです。「そんなことはありません」とお伝えしたかったのが本書です。

読んでいただければ分かるのですが、私は決して飛び抜けた才能や大志があったわけではありません。小さい頃からの夢を抱き続け、地道にコツコツ長い年月をかけ、挫折を経て、本当にいろいろな人の助けを借りながら夢を実現できました。それを知っていただければ、より多くの人の夢の実現をお手伝いできるかなと思いました。

そうした、番組や記事で描かれていない葛藤や苦悩も含めて、一人の人間が悪戦苦闘する様子を、自伝的に網羅して書かせていただきました。

── どういった方々を読者層として想定されていますか。

これから就職を考えている方やお仕事に悩みを抱えている方、何かやりたいことや再チャレンジしたいことがあるものの一歩を踏み出せない方など、幅広く読んでいただきたいですね。年齢的には20~50歳代を念頭に置いて執筆しました。

211009fl_nrt02.jpg

『ミレニアム・ファルコンを作った男』
著者:成田昌隆
出版社:光文社
flierで要約を読む

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米マイクロソフト、ナイジェリアの開発センター閉鎖・

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、主力株軟調で上値は重い

ワールド

中国人民銀、流通市場での国債取引は売り買いとも可能

ビジネス

豪CBA、1─3月期は減益 住宅ローン延滞の増加見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 10

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中