最新記事

メディア

企業が群がる、インスタの消える動画「ストーリーズ」の威力

2017年10月27日(金)15時04分
長瀧菜摘(東洋経済記者)※東洋経済オンラインより転載

インスタグラムが2016年8月から提供している機能「ストーリーズ」。投稿の気軽さが受け、ユーザーはこぞって利用している(写真:Instagram)

旅行の様子や、レストランでの食事風景、家族や友人、ペットとのひととき――。そんなあらゆる写真や動画の投稿であふれるSNS、Instagram(インスタグラム)。1カ月あたりの利用者は2017年6月時点で、全世界で8億人、日本国内だけでも2000万人までに拡大した。

インスタグラムで映えそうな風景などを指す「インスタ映え」は、いまや若者の口癖となり、消費行動をも変えている。

インスタで宣伝したい企業が群がる

これだけ多くの人が集まる場だけに、自社の商品やサービスを宣伝したい企業からの注目度も年々高まってきた。企業やブランドは独自に開設した無料のアカウントを通じ、フォロワーに新商品などの情報を写真・動画で共有する。また、インスタグラムが有料で提供している広告の仕組みを使ってブランドの認知向上や購入ページへの誘導を図ったりと、活用の仕方はさまざまだ。

今、これらの企業やブランドが特に強い関心を寄せているのが、2016年8月にインスタグラム内に設けられた機能「ストーリーズ」だ。

ストーリーズは、通常の投稿一覧(フィード)とは別枠で写真や動画の投稿、ライブ配信を行えるもの。アプリのトップ画面上部に並ぶ、円形のアイコンをタップすると表示される。画像や動画の上に文字を書き込めたり、反復再生動画を撮れたりと、ストーリーズに特化した撮影・編集機能も豊富だ。

通常の投稿が「いいね!」の数や投稿文とともに一覧表示されるのに対し、ストーリーズの場合は1つの投稿がスマートフォンの画面いっぱいに表示されるのが最大の特徴だ。新着投稿が複数ある場合、数秒ごとに次の投稿へと自動で切り替わっていく。投稿は24時間以内(ライブ配信は配信終了後)に自動的に削除される。

toyokeizai171027-2.jpg

アプリの上部にあるアイコンをタップすると、ストーリーズが表示される(写真:Instagram)

提供開始からわずか1年弱で、ストーリーズの閲覧・投稿者数は全世界で1日あたり2億5000万に到達(2017年6月時点)。利用者のアプリ滞在時間も、ストーリーズ投入前の2014年に1日21分(全世代平均)だったところから、直近では25歳以上の利用者が同24分、25歳以下の利用者が同32分まで伸びた。

当然、企業も広告宣伝のツールとして目をつけている。企業アカウントの約50%がストーリーズに投稿しているほか、今年2月に投入したストーリーズの広告メニューも販売が急伸しているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領選資金集め、4月はトランプ氏が初めてバイデ

ビジネス

英GSK「ザンタック」、発がんリスク40年隠ぺいと

ビジネス

アストラゼネカ、シンガポールに15億ドルで抗がん剤

ビジネス

BMW、禁止対象中国業者の部品搭載した8000台を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 7

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 8

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中